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NARITA BOY(ナリタボーイ)【レビュー/評価】80年代”風”な演出が、あらゆる角度からプレイヤーに迫る怪作

評判/点数/感想
  • 5段階評価:★★★★☆
  • 点数:85点
  • 感想:唯一無二にも程がある。
  • レビュー投稿時の進行状況:ストーリークリア
  • プレイ時間:約7時間
  • トロフィー:68%

NARITA BOY(ナリタボーイ)は、2021年3月30日にPS4/Switch/Xboxにて発売された、Studio Kobaが開発したアクションゲーム。

  • 寸胴体形に細長い手足で剣を振り回す奇怪な主人公
  • 余り目に優しいとは言えない赤青黄の三原色がメインカラー
  • ノイズ混じりで端が湾曲したブラウン管テレビ調のグラフィック
  • コンピューター用語を織り交ぜた怪文書的な会話
  • シンセサイザーによるテクノサウンド

これらはナリタボーイを構成するキーファクターだが、ナリタボーイを初めて見た人はその異質さに戸惑い、その多くは購入を躊躇するのではないだろうか。しかし、有名デベロッパーが産み出す大衆受けを狙い間口を広げたゲームでは物足りず、更なる刺激を求めてインディーゲーム沼に足を踏み入れているゲーマーならば、ナリタボーイは避けては通れないと言っても過言では無い芸術性の高い作品である。

ゲームの舞台は1980年代。ゲーム機”ナリタワン”で大ヒットした人気ゲーム”ナリタボーイ”の世界から、侵略者”HIM”とその悪の軍団が現実世界を狙っており、その計画を阻止するべくデジタルヒーロー”ナリタボーイ”がゲーム内で奮戦するというアクションゲーム。アクションゲームとしては平凡な出来栄えだが、コンピューター用語とテクノサウンドに彩られた、日本贔屓が全開なサイバー空間がプレイヤーを魅了する。また、異質さの一方で、ストーリーの核は”ナリタワン”のクリエイター”lionel pearl nakamura”の半生の振り返りを通じて描かれる親子愛であり、真面目で良質な展開でも魅せてくるという怪作。

1.クセが強いとは正にコレ!でもそのクセが堪らない!

まず、ナリタボーイのゲームとしての大分類はアクションゲームだが、細分化すると一応は探索型アクションとなるだろう。ただし、探索型というほどにはフィールドは広くなく、指示されたポイントに向かってキーアイテムを入手し、それを使って新しいエリアに行くの繰り返しである。新しいエリアでは特殊能力を入手出来たり、ボスが待ち受けていたりするオーソドックスな構成。特に自由度が高い訳では無く、一本道のアクションゲームに毛が生えた程度の寄り道が追加されているだけだ。

今時そのような一本道に近いアクションゲームが面白いのか?と疑問に思うかもしれないが、ナリタボーイは色々とスゴイのだ。

特異な演出がスゴイ!

下の動画は冒険に旅立つナリタボーイが、テクノソードを手に入れるシーンである。細かいことは良いので兎に角見て欲しい。剣を手に入れる最初期の段階でこの特異性である。

ブラウン管風に左右が歪み、わざとらしくノイズが乗ったゲーム画面に、何となく昔っぽいフレームワークが露出する床の台座から、ボタン連打で剣を引き抜けば”テクノソォォォォォォド”の野太い声と同時に、懐かしさを感じる古臭いデザインのロゴが浮かび上がり、耳障りの良いサウンドが流れだす。

レトロ要素が満載に見えるが、果たしてこれが80年代なのか?と問われると良く分からない。が、何となくそれっぽい気もする。あくまで80年代”風”なので、誇張し過ぎた感もあるが特に問題は無い。雰囲気が出ていれば良いのだ。

ゲーム内には至る所に”中”という漢字が出て来るが、これはクリエイター”lionel pearl nakamura”の”中”。ナリタボーイは”HIM”の軍団と戦うゲームだが、封印されしクリエイター(千葉県成田市生まれの日系人)の記憶を呼び覚ましていく冒険でもあり、そちらは前述の通り割と真面目なお話だ。記憶は至る所に封印されており、それらを解放する前には、フレームワークのグラサンオジサンの顔面の前で座禅を組んで瞑想しながら”中”ボタンを連打するという儀式が待っている。やはり特異。

“どこに魅力を感じれば良いのか意味が分からない”という人も多いだろう。しかし、この世界観は独自性を重要視するインディゲーマーには深々と突き刺さる。一度味わうともう病み付き。

色使いがスゴイ!

ナリタボーイをプレイすると、まずは最初に光刺激に注意するように警告が出る。

それもそのはず、メインカラーは赤青黄の3原色だからだ。

キャプチャーだと伝わり難いが、実際にプレイしていると演出としてのチラついている部分刺激が多い。上のテクノソードを取りに行く動画でも、道中の背景の明滅が目に付いたかもしれないが、あの手の演出が至る所に用意されている。

赤のコロシアムはちょっと分かり難い。

青のワープゾーンは立ち上る白と青の刺激が強い。

黄色は割とマシ。

バーチャルボーイ感のあるワイヤーフレーム。

最初にプレイしたときは”見難くて変なゲームだ”と思っていたが、一周廻って格好オシャレに見えてくるから不思議である。

会話がスゴイ!

ナリタボーイは演出やビジュルアル以外にも、コンピューター用語をふんだんに盛り込んだテキストから、その世界観を存分に味わうことが出来る。

例えば、とあるNPCが霧が出ているのに灯台が消えていて困っているシーン。普通のゲームなら以下のように状況説明を兼ねて会話してくれるだろう。

“灯台が消えたので霧で視界が遮られて困っています”

しかし、ナリタボーイの場合には、

“濃霧イベントによってビットレートが食われています”

なんて会話が飛び出してくる。

ナリタボーイに登場するNPCは、“ちょっと何言っているのか分からない”ではなく、”意味が分からなそうだが、考えればギリ分かってしまう”奇怪な喋り方をしてくる。頭の中で一度意味の置き換えが必要になるため、せっかちに文を斜め読みしてしまうと意味が分からなくなるので注意が必要。アクションゲームだがメインは世界観を楽しむことなので、会話はしっかりと読んで行きたい。

他にも例を挙げると、ファンタジーゲームなら、”伝説の〇〇を持ってくれば、王都に入るアイテムを作れるぞ”的な会話は、”キーをコードに合わせてコンパイルしてやるぞ”という会話になる。

戦いで負傷し、言葉にならぬ呻き声で苦しむ兵士の会話であれば、未変換のスクリプトの垂れ流しでそれを表現している。

意味が分かる程度にコンピューター用語を混ぜて崩した文が絶妙。

なお、クリエイターの記憶を呼び覚ます真面目なシーンでは、まともな言語で会話が描かれているので安心してもらいたい。

2.平凡なアクションだが飽きさせないボス戦

ナリタボーイのアクションパートはさほど凝ったものではない。

攻撃ボタンを押せば3コンボまで繋がるテクノソードの連撃を主軸に、ストーリーが進めば対空性能の高い”切り上げ”や、回避後に直ぐに攻撃に移れる”突き”などを覚えていく。また、遠距離用にショットガンや強力なビームを撃つことが出来る。幾つかの技が用意されているが、それらはどちらかと言えばギミック的な要素として、決められた場面で使用することの方が多い。ダメージソースの9割は3連撃とビームというシンプルさだ。

アクションゲームとしては少々物足りなさも感じるが、ボス戦はその世界観をしっかりと堪能できる作りになっており飽きさせない。

例えば最初のボスは”ロードVHS”。つまりこれは、日本ビクターが1976年に開発した家庭用ビデオ規格のVHSのことであり、まさに80年代に全盛期だった懐かしのアレだ。

水上(温泉)ステージのボス戦では、ナリタヒーローもボスに対抗して波に乗って移動する。移動手段はサーフボードと思いきや、フロッピーディスク。これも80年代を象徴する代物だ。

このように、80年代リスペクトはボス戦にもしっかりと採用されている。

また、寸胴体形だったナリタボーイがややマッシヴになったり、巨大ロボット”ビッグナリタ”に搭乗して戦ったりと、特殊なイベント戦闘的なものも用意されている。

基本的にはボス戦は”魅せる”ためのものであり難易度は高くない。ラスボスとその一つ手前のボスだけが難しめに設定されているが、それでも何回かやり直せばクリア出来るだろうし、アクションゲームが苦手でも詰むというレベルの難易度では無いだろう。また、倒されたときのリスタートは戦闘開始直後からなので、苦手であっても繰り返し練習は容易にできるはずだ。

下の動画はラスト一つ前のボス戦。難易度の参考に。

3.幾つかの改善するべき点は持っている

ナリタボーイは素晴らしいゲームだが、手放しに神ゲー認定する訳にはいかず、アクション面においては幾つかのテンポを崩す難点を抱えている。

ミニマップが用意されていない

ナリタボーイにはミニマップが用意されていない。キーアイテムを手に入れる⇒ゲートを開く 基本的にはこれを繰り返すゲームなので、探索型という程には迷うことは無い。しかしながら、マップが無くても一切迷わず移動できるほどでも無いないので、やはりミニマップを用意して欲しかった。

時折、ステージ内に隠された三色のシンボルマークを見つけて、それらポータルに入力することでワープ可能になるイベントが発生する。このシンボルマークは背景に溶け込んでいることが多いので、見落さないように隅々まで見て回る必要があるのだが、どうしても見落としが発生する。見落とした場合はステージをもう一度最初からチェックする訳だが、その際にミニマップが無いと非常に不便だった。

インタラクト対象が分かり難い

ナリタボーイはその特徴的なグラフィックから、インタラクト対象がやや分かりにくいことがある。加えて、ゲートや会話相手の手前に段差が在り、その段差に乗らなければインタラクトするためのボタンが表示されないことが多い。そのため、会話対象を見逃したり、会話できるのかどうか確かめるために位置を調整したりと、無駄行動でテンポを崩される場面が散見された。

また、エリアの端が別エリアに繋がっているかどうかも分かり難く、無駄に画面端まで走る事も多かった。

雑魚戦闘が少々長い

ザコ戦にはwaveか用意されておりやや長い。ザコ戦は特に難しい訳では無いが、それでも倒される事がある。その理由の大半は、前の戦闘のダメージを引き継いでいるために、次の長い戦闘には耐えられないからである。倒されてもステータス的なデメリットは無いし、倒されたところで何処かに戻されることもなく、戦闘開始地点から即リスタートする。倒されることに意味が無く、難易度も高くしないのであれば、戦闘毎に体力は全回復して、ギミックを理解していない場合を除いて、余程下手な立ち回りをしない限りは倒されることが無いようにして欲しかった。

こういう仕様のゲームの場合、ザコ戦が始まった時にHPが何割か減っていると”念のために1回倒されて体力全開にしておく”という発想が生まれてくる。長く戦ってから倒されるぐらいなら、事前に保険を掛けて倒れておこうという訳だ。難易度をウリにしないゲームであれば、余りこういうことをしてゲーム体験を中断したくない。

 

以上のように、”些細な”といって無視するには無視しきれない不満点もあるが、訳の分からない80年代調のビジュアルに直感的に興味を持った人であれば、間違いなくプレイして後悔しない作品である。クセが強すぎるのでちょっと・・・という人は、まずはサブスクリプションサービスでサウンドトラックから触れてみても良いだろう。

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