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フィスト 紅蓮城の闇【レビュー/評価】モフモフしたケモノ×ディーゼルパンク×格闘ゲーム級コンボの三重奏で、2D探索型アクションの新たな道が開かれた

総合評価
4 / 5
  • 革新性
  • ユーザビリティ
  • ビジュアル
  • サウンド
  • プレイ継続性
  • コスパ
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読者投稿評価
4
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総評/評判/感想

フィスト 紅蓮城の闇は、探索型のサイドビューアクションとしてはオーソドックスだが、オリジナルコンボで敵を粉砕する戦闘が爽快感抜群。ディーゼルパンク&ケモノという一風変わった世界は、キャラクターボイスが中国語ということもあって、何とも奇妙な面白味を感じる。ケモノ、ディーゼル、格ゲーという歪な組み合わせに見えるが、土台の探索型アクション部分がしっかりしているので面白い。手頃なボリュームの探索型アクションを探しているのであればオススメしたい。コンボは研究の余地が相当にあるので、極めてRTAで披露すれば大いに盛り上がりそうだ。

点数評価 85点
プレイ状況 通常難易度でクリア
トロフィー:54%
プレイ時間 約11時間
発売日 2021年10月3日
対応機種 Switch/PS4/PS5/Steam
プレイ機種 PS5
開発元 Tigames
発売元 ビリビリ
ジャンル メトロイドヴァニアアクション
(ジャンルの考え方はコチラ)

フィスト 紅蓮城の闇は、20世紀半ばのディーゼルエンジンが、そのまま大きく発展を遂げた“ディーゼルパンク”な世界を舞台に、巨大な機械の拳を背負ったウサギを操作して機械軍団と戦う、探索型のサイドビューアクションゲーム。

ディーゼル×ケモノの奇妙な世界

〇〇パンクの定番と言えば、サイバーパンクである。現実世界からすれば技術レベルは高いものの、作品舞台においては技術は既に陳腐化し、理想郷とは程遠い猥雑な未来が描かれる際に使われる言葉だ。聴き慣れたサイバーパンクという言葉だが、その派生語としてスチームパンクという言葉が存在する。スチームパンクは、19世紀から20世紀初頭の蒸気機関が過剰なまでに発達し続けて、世界中のあらゆる場面に組み込まれているような世界観を表現する言葉だ。

今回レビューする“フィスト 紅蓮城の闇”には、サイバーパンクで無ければスチームパンクでも無い、ディーゼルパンクという馴染みのない世界観が採用されている。ディーゼルパンクは聴き慣れない言葉だが、〇〇パンクの傾向から簡単に想像は付く通り、ディーゼル機関が高度に発達した世界観を表現している。

ディーゼル機関が主流の世界と言われても正直なところしっくり来ないのだが、ゲーム内のビジュアル的からは一般的なスチームパンクに割と似ているという印象を受けた。昔のディーゼル機関と言えば環境に悪いイメージが強いので、スチームパンクと比較して蒸気が無くなった代わりに全体に薄汚れているような気がしないでも無い。

フィスト 紅蓮城の闇 ディーゼルパンクな風景

住居や店の煙突からは、恐らくディーゼル機関由来の排ガスが放出されている。

フィスト 紅蓮城の闇 街並み

置かれている車両はディーゼル機関なのだろう。

そんなディーゼルパンクの世界を舞台に戦うのはケモノ達だ。それも身の丈ほどもある巨大な拳を背負ったウサギが主人公である。ストーリーはシンプルで、動物たちが暮らす紅蓮城が機械軍団に攻めらた際に戦っていたレジスタンスの一人が、主人公のウサギのレイトンである。レジスタンスは破れ、隠遁生活を続けるレイトンだが、機械軍団に捕まった友人を救出するために、巨大な拳を背負って再び戦場へ赴くという展開だ。

フィスト 紅蓮城の闇 主人公のレイトン

レイトンは英雄ウサギとして名声を得ていた。

フィスト 紅蓮城の闇 ウルス爺

太った熊がパワーアップアイテムや休憩ポイントを発明。

ディーゼル機関が発達した世界で、動物たちが人間の如く振る舞い生活するという珍妙な世界観は唯一無二だ。ゲームタイトルにもなっている巨大なフィストと、モフモフしたハンサムウサギという組み合わせも衝撃的である。 動物たちと機械軍団の関係は深く掘り下げられることは無いが、そんなことはどうでも良くなる魅力を持っている。

フィスト 紅蓮城の闇 機械兵

機械達も何となく動物っぽい顔をしている。(真ん中はライバルで顔は生身)

屋台でラーメン(一時的に体力アップ)を食べるシーンは、スキップせずに何回も見てしまう。

探索型アクションなのに格ゲー級のコンボ

フィスト 紅蓮城の闇は、独特なビジュアルが話題になりがちだが、その大きな拳をしっかりと活用したアクションが用意されている。

一般的に探索型アクションゲームというと、数発だけ繋がる弱・強の通常攻撃と、使用回数に制限が設けられた特殊攻撃で立ち回るものが多い。フィストも例に漏れず、弱・強の通常攻撃と青色のゲージを消費する特殊攻撃の2種類が用意されているが、コンボ繋がり方がかなり特殊である。簡単に言うと、コンボが格闘ゲームの如く繋がりまくるのだ。コンボの幅は他の探索型アクションゲームでは例を見ないほどに広い。

まず、攻撃には、☐の弱攻撃と△の強攻撃が用意されている。☐⇒△や、☐⇒☐⇒△⇒☐など、弱と強を押す順番の組み合わせによって、攻撃モーションが変化する。そして、これらの攻撃はコンボ途中であっても、ダッシュや特殊攻撃でキャンセルすることが出来る。アクションは元々が軽快なので、それをキャンセルして別の攻撃を差し込むことが出来るとなると、少し練習をすれば敵をお手玉するようなコンボを簡単に決めることが出来るようになる。

下の動画は、案山子相手に“簡単な部類の”コンボを練習している様子である。練習なので左に入力するべきコンボが表示されている。一連の動作として入力するボタンの数及び、それによる滞空時間はまるで格闘ゲームのようである。

上記の動画の説明で“簡単な部類”と強調したのには訳がある。視線を釘付けにするその巨大な拳だが、ストーリーが進めば、巨大ドリルと電撃ムチに切り替え可能となる。同時に使える武器は1種類だけだが、これらの武器はボタン一つで瞬時に切り替えが可能となっている。

フィスト 紅蓮城の闇 ドリル攻撃

ドリルは敵を穿つ以外にも、風を起こしたり、プロペラのように飛ぶこともできる。

フィスト 紅蓮城の闇 スキルツリー

敵を倒して金を稼ぎ、データストレージというアイテムを入手すれば、スキルツリーから技を入手。

武器の切り替えはコンボの途中や空中でも行うことができるので、敵を拳で吹っ飛ばした後にムチで追撃し、さらに拳で打ち上げた後に再度ムチで追撃、トドメは高威力のドリルをお見舞いするなどと言うコンボも可能だ。

実際のところ、一番強いコンボを実戦で途切れさせずに入力しきることは至難の業だ。特にボス戦ともなると、スーパーアーマーでダメージを喰らいながらも頻繁に反撃してくるので、コンボを必死に出そうとしても途切れさせられることが多い。つまり、上記の究極のコンボは実用性が無い訳だが、比較的簡単に出せるコンボの一部分を自分なりにアレンジして、活用することが出来ればダメージ効率を大幅に上昇させることができる。オリジナルコンボがタイミング良く決まれば、大きな達成感を味わうことができ、新たな練習意欲も沸きあがってくるだろう。

なお、主人公は機動力が高く、序盤からダッシュや2段ジャンプを利用できるため、ピンチでも敵から逃げやすい。そのため、探索パートの難易度はそれほど高くない。一方で、ボス戦は回復アイテムの発動が遅いため難易度はやや高め。特に、初見の敵の攻撃パターンが分かっていない内は、迂闊にアイテムを使って回復前に倒されることが多い。

最初はスタイリッシュに戦えないが、後半は慣れて楽しさが倍増してくるタイプ。

探索型ゲームとしての新しさは無いが安心感がある

ケモノ×ディーゼルパンクの独特な世界観と、格闘ゲームじみたコンボが鮮烈なイメージを残すフィストだが、探索型ゲームとしては特に新しさを感じることは無いだろう。数々の分岐で構成されたエリアをひたすらに駆け回り、新しい移動系能力を得る度に過去のエリア繰り返し訪問し、寄り道をすればするほどに体力やスキルの使用回数などが強化されていくという、探索型ゲーム定番の造りとなっている。

フィスト 紅蓮城の闇 封鎖された通路

封鎖された通路は一旦後回し。新しい移動能力が手に入れば突破可能。

特に新しさを感じることは無いが、探索型ゲームの基本に非常に忠実に作られている。前述の通り、コンボがゲームの目玉となっているので、探索の道中は試行錯誤に明け暮れることになるため、新しさが無いからと飽きて来ることは無いだろう。下手に捻りが無い分、最初から最後まで安心してプレイすることが出来ると言っても良いだろう。

安心感の裏返しで、探索型としてのオリジナリティは乏しいが、それはそれであり。
フィスト 紅蓮城の闇 移動系の新能力

各地に設置されたカプセルに入ると移動系の新能力を入手。

フィスト 紅蓮城の闇 危険地帯

探索型ゲームと言えば針地獄が定番。当然用意されている。

クリアまでは各エリアの踏破率70~80%程度で約11時間を要した。探索エリアは広すぎることも無ければ狭すぎることも無く、1日1~2時間プレイして1週間ぐらいでクリアできると考えれば、手頃なボリュームだろう。比較的低価格な3000円台ということを勘案しても妥当だ。

フィスト 紅蓮城の闇 フロアマップ

マップ典型的な探索型

以上のように、フィスト 紅蓮城の闇は、異質なビジュアル、本格的なコンボアクション、オーソドックスな探索型が同居する少し変わった良作だ。2022年7月14日にはSwitch版の発売も決定している。PS版では縁が無かったが気になっていたという人は、Switch版をプレイしても良いだろう。

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