点数評価 | 90点 |
プレイ状況 | 全トレイルをビギナーまでクリア 実績:210/1730 |
プレイ時間 | 約6時間 |
発売日 | 2019年10月23日 |
対応機種 | Switch/PS4/Steam Xbox (GamePass) |
プレイ機種 | Xbox Series X |
開発元 | Megagon Industries |
発売元 | Thunderful |
ジャンル | レース ジャンルの考え方 |
Lonely Mountains: Downhillは、ショートカットの開拓が楽しいシングルプレイ専用のタイムアタックレースゲームだ。ここのルートはショートカット出来るのでは?と感じたのであれば、難易度はともかく9割ぐらいは突破できる。ありとあらゆる場所をショートカット出来るため、発売から2年8カ月(レビュー時点)以上経っても、ベストルートが煮詰まり切っていないという、完全にタイムアタック沼なゲームである。コースは全16種類とレースゲームとしては少ない部類だが、多分これだけで一生遊べる。黙々とトライ&エラーを繰り返すことが好きな人には絶対にオススメ。
秒でゲームオーバーになる、トライ&エラーのタイムアタック
Lonely Mountains: Downhill (ロンリー・マウンテン ダウンヒル)は、自転車を使って山を下るという、シングルプレイ専用のタイムアタックに特化したレースゲームだ。
プレイヤーの目的は、山の頂上から麓までの急で曲がりくねった坂道を自転車で下りきるルートを開拓することだ。操作は特に複雑では無く、RTで加速、LTでブレーキ、Aを押せば一時的な加速であるスプリントを利用できるだけである。後はスティックで移動するだけだ。
シンプル操作で山を下り、トレイル(コース)毎の成績がタイムまたはクラッシュ回数が一定以内であれば、新しいトレイルや山がアンロックされる。山は全部で4種類用意されており、それぞれで4つのトレイルを楽しむことが出来る。つまり、最終的には全16種類のトレイルを遊べるようになる。
単純操作で16コースと聞くと、レースゲームとしては物足りなく感じるだろう。オンラインのスコアボードはあるものの、シングルプレイ専用ゲームであることから、低価格のちょっとした暇つぶしゲームだと思うかもしれない。しかし、それは大きな間違いだ。実際のところは、延々とトライ&エラーを繰り返したくなる、とんでもない沼のようなゲームである。
まず、Lonely Mountains: Downhillの主人公は、スペランカーかよ!と、突っ込みたくなるぐらいに直ぐ死ぬ。レースゲームにもかかわらず、石や草木に引っ掛かると盛大に転がって即死だ。加速した状態で段差に乗り上げると、自転車が大きく跳ねてまず助からない。見えにくい場所に段差が在って、知らない内にゲームオーバーになることは日常茶飯事である。
勿論、現実で自転車に乗っていれば、石や草木は脅威であり、実際に衝突すれば盛大にクラッシュするだろう。しかし、それをゲームで完全に再現してしまうと、レースとして成り立たない。そのため、一般的なレースゲームでは多少ぶつかったところで、ペナルティは受けるかもしれないが、簡単にはゲームオーバーにならない。しかし、Lonely Mountains: Downhillは現実同様に、些細な接触でとにかく死にまくる。
死にやすいとはいえ、Lonely Mountains: Downhillはタイムアタック専用のレースゲームなので、限界まで攻めた走りをしなければならない。コースを攻めると言えば、リアル系のレースゲームであればコーナーのインをギリギリ走る、カジュアル系のレースゲームであれば、加速アイテムを使ってダートを突っ切るなどが定番だ。それに対してLonely Mountains: Downhillの場合、ありとあらゆる場所が、通常操作でショートカットの対象となっている。
サンドボックスなソロプレイ専用タイムアタックゲームと言っても良いかもしれない。
ゲームの舞台は山なので、基本的に舗装された道は用意されておらず、踏み均されて周囲とは色が変わっている場所が、正規の走行ルートとなっている。そして、そのルートがトレイル選択時に線でコースとして示されている。
正規の走行ルートに沿って走った場合、ビギナー向けの目標タイムならギリギリでクリア出来るのだが、エキスパートモードの目標タイムには全く届かない。上位の目標タイムをクリアするには、コースを外れて急斜面を滑り下りたり、大きな岩に平らな面を見つけて強引に着地するなど、ありとあらゆるショートカットを試みる必要がある。ショートカット可能な場所は、うっすらとだが周囲と比較して色が変わっている。そのような場所を見つければ、勇気を出して足を踏み出すしかないのだが、通行できるだけであって速度や角度が悪ければ当然の如く死ぬ。
ショートカットできると分かっていても、メインのルートを外れた道を通り抜けることは至難の業。クラッシュしてはリトライを何回も繰り返すことで、漸く感覚を身に付けることが出来る。まるで長編映画のエンディングで流れるNG集の如く同じ場所で失敗を繰り返し、焦ってくると関係ない場所でもミスを多発してしまう。しかも、そのようなショートカットを連続して決める必要があるので、それなりのタイムを得るためには高度な集中力が求められる。
なお、プレイヤーが操縦する自転車は全6種類用意されており、各トレイルで規定の記録を達成することでパーツと呼ばれるアイテムを一定数集めればアンロック可能。グリップや衝撃吸収などの性能が全く異なり、自転車によって利用できるショートカットも変わって来る。
まずは衝撃吸収が高い自転車で安定して走ろう。
果てしないランキングへの挑戦
ある程度ショートカットを活用できるようになり、自分なりに早く走れるようになると気になるのがランキングだ。トレイルのスタートからゴールまでは、幾つかのセッションに別けられており、セッション毎とトータルの世界ランキングが表示される。ランキングが低ければ攻めた走りが出来ておらず、高ければベストルートに近いということになる。
下のスクショの成績であれば、セクション1は4万位台で非常に遅いが、セクション4からは好成績で1万位台、セクション6だけは4桁になりトータルでは19056位であることが示されている。
そして、リーダーボードという項目を見ると、自身の成績が全体のどの程度に位置するか確認できて、他のプレイヤーのベストタイム及びクラッシュ回数も確認できる。ここで紹介した筆者の記録は、クラッシュ回数16回以下のチャレンジを達成するために、それほど無茶なショートカットをしなかったのだが、トップ35%と余り悪くない記録であることが分かる。
次に、ランキング上位陣の成績を見てみると、1回の挑戦で数百回、時には千回以上のクラッシュを繰り返して記録を出していることを確認できる。そして、ランキング1位のプレイヤーは、筆者の記録の半分ぐらいの時間でゴールしているようだ。加速アイテムや大幅に性能差が出るカスタマイズが存在しないレースゲームとして考えると、異常なまでに差を付けられていることが分かる。
何故ここまでタイムに差が出るのかというと、単純にショートカットの活用能力に差があるからだ。前項で、メインの走行ルート以外にも、うっすらと色が付いた道はショートカットの目印であると書いたが、実は何も示されていない箇所であっても、難易度は高いがショートカット可能となっている。
具体的に言うと、下の動画の冒頭のようなショートカットである。この動画では、スタートした瞬間に道を逸れて断崖絶壁を下っている。
このような強引なショートカットが無数に用意されており、それらを見つける作業がLonely Mountains: Downhillのメインコンテンツと言えるだろう。勿論、見つけた後は安定させなければならないので、繰り返し練習が必要となる。
ちなみに、上記のスクショに示されたランキングの1位と2位の差は2秒以上、1位と4位を比較すると5秒以上の差がある。これが何を意味するのかと言うと、ルート設計の自由度が余りにも高いため、発売から2年8カ月以上経過した当レビュー投稿の段階でも、ベストルートが煮詰まっていないということだ。次から次へとセオリーが覆されて、記録の大幅な更新が繰り返されていることを窺い知ることができる。そのような探求しがいのあるトレイルが16種類も用意されているので、タイムアタック好きなら無限に遊べるゲームと言えるだろう。
トライ&エラーがメインコンテンツ。何でも直ぐに動画を見る、考える行為を放棄した人には向かない。
ややガバい物理演算が癖になる
Lonely Mountains: Downhillは、必至に難所を攻めてタイムを短縮する訳だが、ハプニングが新たなルート発見に繋がることもある。次の動画は崖を下りようとしたが、思い留まったシーンである。ブレーキを掛けて方向転換したものの間に合わず、ズルズルと後ろに滑り落ちてしまっている。早々にクラッシュを覚悟しているのだが、絶妙の角度でバウンドして超絶ショートカットが発見されたのである。
Lonely Mountains: Downhillは物理演算系の3Dゲームだが、クラッシュの判定が良い意味で甘い。そのため、先の動画のような偶然の産物のようなショートカットが時折見つかる。“今の落下でクラッシュしないのかい!”とツッコミを入れたくなる挙動は、何とも言えない味がある。このようにして見つかったショートカットは再現性が余りにも低く、タイムアタックに組み込めないことも多いのだが、奇跡の挙動に助けられた際には密かに笑ってしまうこと間違い無しだ。
なお、これまでのスクショと動画で分かる通り、Lonely Mountains: Downhillは綺麗目だが情報量の少ないローポリゴンと、環境音だけで構成されており、プレイヤーがタイムアタックに集中できる作りとなっている。逆に静かすぎて集中できないという人は、外部でテンションが上がるようなサントラを流しながら走るのもありだ。
高い集中力が求められるトライ&エラーと、未知のショートカット開拓の達成感に価値を見出せる人には是非お勧めしたい。レースゲームのタイムアタックが好きな人であれば、高確率でハマるだろう。さほどタイムアタックに興味が無かったとしても、XboxGamePass加入者であれば、全コース解放までを、適度な難易度のシングルプレイの3Dアクションゲームの感覚で楽しんでも良さそうだ。
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