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ダンジョンマンチーズ【レビュー/評価】ビルドの幅が広いアクションも楽しいが、何よりも二転三転するストーリーの出来が秀逸で、良質なアニメを一気見したような気分になる

点数評価85点
プレイ状況ノーマルでクリア
プレイ時間約8時間
発売日2022/7/28
対応機種Switch/Steam
プレイ機種Switch
開発元maJAJa
発売元コーラス・ワールドワイド
ジャンルアクションアドベンチャー
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

ダンジョンマンチーズのパッケージに描かれているのは、一応は主人公である“ゾンビ”と、青白い肌に悪魔のような角が生えた、自称特級ライセンス保持者のネクロシェフである“シマー”だ。このシマーに何らかの魅力を感じたのであれば、ダンジョンマンチーズを買っても恐らく損は無い。それほどに、ダンジョンマンチーズはキャラクターが立った作品である。二次絵で釣られて何かを買うと大体は痛い目を見るが、このゲームは“当たり”である。

総合評価
 (4)
革新性
 (3.5)
ユーザビリティ
 (4)
ビジュアル
 (4)
サウンド
 (4)
プレイ継続性
 (4.5)
コストパフォーマンス
 (4)

ダンジョンマンチーズは、ダンジョンと化した巨大建造物に巣くう魔物たちを狩り、調理して食べることで魔物の能力を得ることができる2Dアクションゲーム。Switchで発売されるゲームとしては珍しく早期アクセス版が販売されていたが、2022年7月28日に正式にフルリリースとなった。

1クール12話の出来の良いアニメのようなストーリー

まず、ダンジョンマンチーズの公式サイトには『敵を倒した素材からパワーアップしたり、武器を作ったりしながら、ボスを倒して脱出を目指しましょう』と記載されている。実際にダンジョンマンチーズは、ネクロシェフであるシマーから調理スキルを授けられたゾンビが、魔物を素材にした料理を食べてパワーアップしながら戦うゲームなのだが、アクションパートよりもストーリーパートの作り込みを評価したい作品だった。

シマーが実質的な主人公

ダンジョンマンチーズの舞台は、とある理由で文明が崩壊した地球だ。まともな登場人物は、シマー以外に友人のグリルしか存在しない。他の登場人物は、ゾンビ、ガイコツ、自我芽生えた野菜、人格を持ったAIなど奇天烈なものばかり。主人公であるゾンビは一切喋らないので、シマーとグリルを中心とした、バカげたハイテンションな会話がストーリーのベースとなる。操作をすることは出来ないが、シマーが実質的な主人公と言っても差し支えないだろう。

グリルも同じく料理が得意。
合体ロボになろうとするフルーツ戦士達と、それに紛れた大根。
人類の文明は最早古代のもの。

実際にダンジョンマンチーズをプレイするまでは、古代文明と化した人類の痕跡を辿りながら、ダンジョン飯的なノリで食事するだけのゲームだと考えていた。しかし、そのストーリーは単純なものではなく、途中で二転三転しながら、世界観はプレイ開始時に想像していたよりも遥かに大きくなる。自我に芽生えた野菜達の死生観や、そんな野菜達による革命の話、人類滅亡の真相や、その根源に立ち向かう展開など、ストーリーは徐々にシリアス路線に移っていく。

徐々に世界の真相に迫っていく。

舞台が次第にスケールアップしていく一方で、シマーとその仲間達のコミカルな雰囲気は一貫しており、一切ブレないまま大団円を迎える。ストーリーラインが急転しても強烈なキャラクターの個性は損なわれず、かといって変化していく世界観にミスマッチな訳でもない。また、話の節々やアイテム説明には容赦なくコミカルな演出を突っ込んでくるが、決して白けるようなこともなく、クセの強い各要素が綺麗にまとまった、見事なストーリーに仕上がっている。

アイテム説明も悪ふざけが多い。

詳細については実際にプレイしてもらいたいのでネタバレは控えるが、ストーリーの中心はやはり“食”である。食事が単なるゾンビの強化手段では無く、重要なキーワードになっている点も評価したい。また、この手のアクションゲームとしてはテキスト量が多く、その怒涛の展開からクリア時には、1クール12話の面白いアニメを一気見したような満足感を得ることが出来た。

ビルドの幅が広く、好みのスタイルを探せるアクション

好きな武器と、7つの料理でカスタマイズ

ダンジョンマンチーズに登場する敵は、倒されると必ず食材をドロップする。手に入れた食材に対応したレシピを見つけることが出来れば、それらを使った調理が可能となる。

コーン、トマト、カボチャなど、馴染み深い野菜を模した敵や、動物や魚介類などに由来する敵は、見た目通りの食材へ変化する。一方で、食欲など沸いてこない気持ち悪い見た目のモンスターも出現するが、それらの部材もレシピさえあれば調理可能となる。

明らかにトウモロコシをドロップする敵。

作った料理は最大で7個までゾンビの胃袋に収めることができ、料理の種類によってゾンビの見た目が変化し、様々なバフ効果を得ることが出来る。攻撃力や攻撃速度のアップ、武器に新しい攻撃スキルを付与、ダッシュで弾をリロードなど、100種類以上の料理が用意されており、レストポイントで自由に食べたり吐き出したり(装備の付け替え)が出来る。

全てのモンスターが食材となる。

さらに、敵から手に入れた素材で武器を作ることも出来る。剣、斧、槍と言ったファンタジー作品でお馴染みの物から、ライフルや火炎放射器といった現代兵器まで製作可能だ。

可食部以外は武器になる。

武器は攻撃ボタンを押すタイミングが重要となるチャージ式のものから、ボタンを押しっぱなしで連続攻撃できるものまで、様々な種類が揃っている。調理によって武器の長所を伸ばすのか、あるいは短所を補うのかビルドの幅は広く、自分のスタイルに合った組み合わせを探すことが何より楽しいだろう。

メカも食べることが出来る

ダンジョンマンチーズは、ゲーム開始当初こそはポストアポカリプスな世界を舞台にした、ややファンタジー寄りな展開が続くが、話が進むにつれて次第にSF寄りになっていく。武器に現代兵器が出て来るように、敵にも警備用ドローンようなものから、野菜が乗り込む多脚ロボットまで様々なマシンが登場する。

ソフトクリームのコーン部分が乗り込むメカ。

当然ながらマシン系の敵が食べられる食材をドロップする訳が無いのだが、“ロボットの部品を集めて食べ物を作ってみたらどう?”というシマーの鶴の一声で、主人公のゾンビは何の疑いも無くロボ料理を始めてしまう。展開自体は完全にギャグでしかないのだが、中盤から一気に路線を変えてプレイヤーを飽きさせないという配慮がされている。

ゾンビは思考力ゼロなので指示通り食べる。
ダースモールのアレ。

弾幕ゲームのようなボス戦

ダンジョンマンチーズは、ノーマル難易度であればザコ敵で苦戦することは殆どないが、ボスはなかなかに難しい。いずれのボスも一定の体力を削られるとモードチェンジし、超絶な弾幕を展開してくる。その弾幕は縦シューティングゲームさながらであり、安置を探して回避を繰り返さなければならない。急にプレイフィールが変わるため、この仕様は好みが分かれるかもしれない。

“序盤の”ボスの弾幕。進むにつれて攻撃は苛烈に。

料理は攻撃をサポートするものだけではなく、クールタイムを伴ったバリアや、ダッシュで敵をの弾幕を打ち消すなど、防御系のものも複数用意されている。また、サブ武器には盾も用意されているので、ボス戦で詰まった場合は武器と料理の構成を見直せば活路を見出せるだろう。ビルドの試行錯誤も楽しみの一つである。

料理や武器のアンロック難易度は低めで、道なりに進むだけでも7割程度は使用できるようになる。そのため、ビルドの変更案すら無くなって詰むことはまず無いだろう。また、最悪詰まった場合でも、難易度は途中からでも変更可能なので安心したい。

Sara
Sara

ハードモードは相当にトライ&エラーが必要。

ダンジョン探索は一本道

探索型ではなくプラットフォーマー系

ダンジョンマンチーズは2Dアクションゲームだが、インディーゲーム界隈で人気の探索型では無い。ゲームの進行に応じて二段or三段ジャンプ、エアダッシュ、壁蹴りなどの移動系スキルが手に入るが、それらを手に入れた後に、過去のステージに戻って探索するような遊び方は想定されていない。

ファストトラベルによって、過去のステージに戻って取り逃したレシピや食材を手に入れることも出来るが、移動系スキルが無ければ入手できないものはない。また、レシピを取り逃したところで、次々と武器の上位機種が登場するし、料理は種類が多いためビルドの幅が制限されることも無い。

ダンジョンの途中で道が分岐していることもあるが、それらは決まって一方が進行方向で、もう一方にレシピが隠されている。パターンが決まっているので、“探索”という程にフィールドを駆け回ることも無いだろう。基本的には一本道なゲームだ。

移動系スキルは、いわゆるプラットフォーマー系のアクションに用いられる。踏むと崩れる足場や触れると凍る氷塊、トゲだらけの床や、振り回されるドリアンなど、道中には数々のトラップが仕掛けられているので、移動系スキルを駆使してくぐり抜ける。ザコ敵を倒すよりも、この手のアクションを難しく感じる人の方が多いだろう。

3段ジャンプが出来るようになってからが本番。
トゲで即死はしないが、手痛いダメージを受ける。

中盤からはやや稼ぎが必要

ダンジョンマンチーズは、敵を倒して素材を入手し料理や武器を作るゲームだが、何を作っても材料は消費されず、素材は1回手に入れれば何回でも使える。製作に必要な素材の数量は指定されているが、作るたびに消費されるのではなく、既定数量さえ集めれば良いという不思議な仕様だ。素材が消費されないので、道中のザコ敵を倒すだけで殆どの必要な素材が集まり、ゲームはサクサクと進行する。

一方で、ゲーム中盤に料理の強化が解放されると、強化に必要なポイントの不足しがちになる。ビルドの自由度の高さと、要求ポイント数の多さがややミスマッチなので、どうせなら素材を消費性にして、素材稼ぎとポイント稼ぎを行わせた方が良かっただろう。

Sara
Sara

ポイント稼ぎをするなら、素材稼ぎも同時に行わせた方が作業感は薄れるし、素材も消費された方が自然に感じる。

レベルアップ時に表示されるイラストが何ともシュール。

評価ポイントのまとめ

アクション面は、難易度の高い弾幕系のボス戦と、移動系スキルを駆使するプラットフォーマーで、多少好みが分かれることもあるだろうが、ストーリー面の出来栄えは文句なしだ。強めなギャグテイストを許容でき、パッケージのシマーが気に入れば買うことをオススメしたい。パッケージ版は初回特典として2枚組サントラが付いてくる点も嬉しい。

長所

  • 可愛いキャラクター
  • 二転三転するストーリー
  • ビルドの幅の広さ
  • 攻略しがいのあるボス戦

短所

  • 強化ポイントの入手量の少なさ
  • 素材が消費されない不自然さ

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