点数評価 | 90点 |
プレイ状況 | ライバルマッチ20勝 |
プレイ時間 | クイックも含めて約15時間 |
発売日 | 2022年10月04日 |
対応機種 | Switch/PS4/PS5/Steam Xbox One/Xbox Series |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | ブリザード・エンターテイメント |
発売元 | ブリザード・エンターテイメント |
ジャンル | チーム制アクション ジャンルの考え方 |
オーバーウォッチ は前作の時点で神ゲーであり、今回の対戦人数変更により更に磨きがかかった、最高峰のチーム制FPSである。ただし、初心者プレイヤーの訓練を兼ねるはずのPvEモードが、2023年まで実装されない点は納得できないので★4.5とした。ライバルマッチに関しては問題ないと考えるし、新たな問題が見つかっても迅速にバランス調整されることだろう。
なお、このレビューはあくまで、一般プレイヤーがチームを組まずに遊んだレビューであることに注意してもらいたい。オーバーウォッチは一般シーンとプロシーンでは全くの別ゲーであり、チーム構成の最適解も一致しない。そのため、配信などでトップレベルのプレイを見ても、この記事の通りでないことは十分にあり得る。
オーバーウォッチ 2(OW2)は、2016年に発売されたチーム制FPS、オーバーウォッチの続編。個性的で唯一無二なヒーロー達を操作する一方で、自身の役割(ロール)を全うすることが重要な、チームワーク重視のシューターである。続編と言いつつも前作で得たコスメティックアイテム類や、累計戦績及びプレイ時間などあらゆる要素が引き継がれ、さらに基本プレイ無料となった特殊な作品となっている。
果たしてオーバーウォッチ2は、本当にナンバリングの2作目と言えるのだろうか?
これはオーバーウォッチ2をプレイしたファーストインプレッションである。
オーバーウォッチ2の評価は、スプラトゥーン3の評価に似ている。前作と比較して、ナンバリングが変わったにもかかわらず大きな進化を感じられない。その一方で、何時間でも続けてプレイし続けて得しまう魅力も持っているという評価だ。
5vs5にルール変更された経緯
オーバーウォッチ2における、前作からの最も大きな変化点は対戦人数だ。前作は6対6のチームシューターであり、前線で仲間を守る“タンク”、攻撃を担当する“ダメージ”、後列からの回復やバフを担当する“サポート”の3ロールに、それぞれ2名ずつ割り当てられていたが、本作ではタンクロールへの割り当てが1人となり、5対5に変更されている。
タンクが減らされた理由は幾つかあるが、最大の理由はその難易度の高さから率先してタンクロールをピックするプレイヤーが少ないからだ。タンクは単に他のロールを守れば良いという訳では無く、アタッカーに合わせてクロスファイアをしたり、タンク同士で体力やシールド耐久値を考慮してカバーしあう必要もあった。更にタンクは団体行動の起点になることから、劣勢時にはプリセットしたラジオチャットで仲間をまとめ上げるような、リーダーシップを発揮することも求められるなど、タンクは他のロールに比べて責任が非常に重たかった。
ダメージロールの“集合”と、タンクロールの“集合”の重みは全く違う。
その結果、ランダムにマッチングしたプレイヤー達はタンクを押し付け合い、渋々タンクを引き受けたものの瞬殺されてチームが崩壊、あるいはノータンクのままで対戦が始まって何もできずに完敗という現象が多発した。そのような状況を改善するため、最終的には事前に担当するロールを選択してからマッチングに臨む“ロールキュー”システムが導入され、ヒーローの選択は自身が選んだロールの範囲内に限定されることになった。
ロールキューシステムの導入により、望まないロールを強いられることは無くなったが、アタッカーに希望ロールが殺到することになった。希望のロールを確実に遊べるようになったものの、タンクは即マッチングし、ヒーラーも比較的直ぐにマッチングする一方で、アタッカーだけが5~10分待ちといった、非常に歪な状況となってしまった。
タンクが2人だとシールド耐久値の関係で、延長戦の決着に時間がかかるという問題もあった。
このタンクの担い手不足を解消するために、オーバーウォッチ2ではタンクに属するヒーローの性能を大きく強化したうえで、タンクロールの割り当て人数を1人に変更するという処置がとられている。
対戦人数の変更の影響
6年間の試行錯誤の末、オーバーウォッチは新作にて、5vs5のチームシューターとして生まれ変わった。対戦人数の変更がゲームに与えた影響は以下の通りである。
タンクが1人になったことで、ゲーム内には様々な変化が表れているが、特に顕著なのはキルタイムが長くなったことだろう。
元々、オーバーウォッチはロール制のチームシューターであり、タンクが守り、サポートが回復しながら戦うFPSなので、戦争系やバトロワ系のFPSと比べてキルタイムは格段に長かった。オーバーウィッチ2は対戦人数が6vs6から5vs5になったことで、タンクを交えた集中砲火や、アルティメットアビリティの応酬機会が減ったことで、戦場はやや穏やかな様相となり、キルタイムは明確に伸びている。
タンクロールとはいえ、一定の火力は持っている。人数減少に伴う総ダメージ量の低下は大きい。
当初は仲間を守るタンクが減ったことにより、ダメージやサポートのロールが受けるダメージが増え、キルタイムは短くなると想像していたが、全く逆の結果になったことには驚いた。
タンクの人数割り当て変更は、間接的にサポートにも大きな影響を与えている。サポートは名前の通り、仲間の回復やバフ付与が主な仕事となるロールだ。サポートには、ルシオやモイラのように範囲ヒールを得意とするヒーローもいれば、マーシーやアナのように単体ヒールが得意なヒーローもいる。そして、人数変更は実質的に単体回復のヒーラー強化に繋がっている。
単体回復のヒーラーは常々、回復対象を見極めた臨機応変な行動を求められる。チームを一歩引いたところから俯瞰し、仲間からの回復要請に答えるのか、それとも要請を無視して自身が必要だと判断した相手をヒールするのか考えなければならない。その判断・立ち回りは、タンクロール程ではないが、ダメージロールと比べると十分に難しい。
オーバーウォッチ2は、サポートロールの人数はそのままにチームメンバーが減ったことで、純粋に回復対象の見極め難易度が低下している。特に行動の起点となるタンク2名の内、どちらを手厚く介護するかという取捨選択が無くなったうえに、敵味方共通して取得できるマップ上の回復パックの取り合いの機会も減っているので、放置した仲間が生き残る確率が増えている。
タンクの人数割り当てが変更されたことでタンク不足は解消しており、各ロールの求人倍率の高さは、サポート>タンク>>ダメージとなっている。サポートの難易度が下がったことの認知が進めば、将来的には求人倍率のバランスはさらに良くなりそうだ。
タンクロールのラインハルトは、“義務ハルト”などと揶揄されるように、前作では殆どの構成で採用され続けてきた必須の存在だった。大きなシールドで仲間を守りながら前進でき、仲間が倒されて孤立した場合でも、強力なタックルで敵1体を道連れにもできた。さらに、前方の敵をスタンさせるアルティメット“アースシャター”は攻撃の起点にもなっていた。
本作ではタンクロールのヒーローの性能が全体的に強化された上に、アルティメットが貯まる速度も遅くなっているので、ラインハルトが必須という環境ではなくなっている。1タンク環境では出番など無いと思われていたウィンストンも、ステータス底上げに加えて遠距離攻撃が追加されたので、問題なく使うことが出来る。
新たにタンクロールに追加されたジャンカー・クイーンは、タンクロールでありながら攻撃的なヒーローだ。従来であれば耐久性能の劣るタンクは敬遠されがちだったが、前述の通りにキルタイムが長くなったうえに、パッシブスキルとして条件を満たした与ダメージ分だけ体力回復をできるため、狭所や混戦では大いに活躍する。
タンクロールの割り当てを減らし、性能を大きく底上げしたことでピックの自由度が高くなり、在り来たりな構成でのぶつかり合いが少なくなった。そして、カウンターピックの重要性が増して、変化に富んだ戦いになることも期待できる。
以上のように、オーバーウォッチ2は5vs5になったことで、若干の賑やかさと引き換えに、数々のメリットを得たと言えるだろう。
劣勢からの打開は難しくなった
前項で説明した通り、オーバーウォッチ2はチームメンバーが少なくなったことにより、アルティメットアビリティの応酬回数が減っている。前作と比べて見た目的な派手さが控えめになったが、“ヒーローシューター”と分類される程度には、華やかな戦闘を楽しめることは間違いない。ただし、劣勢チームが逆転するチャンスは、前作と比べて随分少なくなったように感じる。
劣勢を覆してエリアを奪取したり、ペイロードを進めるにはアルティメットアビリティが必要不可欠だ。ラインハルトのアースシャターによる広域スタンや、ザリアのグラビトンサージによる吸引に、何らかの攻撃系アルティメットアビリティを重ねることが状況打開の定番だったが、アルティメットアビリティの重ね掛けの機会が減った分だけ単純に逆転が難しくなっている。
こうなると、アルティメットアビリティに頼らず、自身の腕前に大きく依存する通常アビリティで逆転を狙うしかない。しかし前述の通り、サポートロールの難易度が低下したことにより、劣勢側(=攻め込む側)よりも、リードしている側(=防衛する側)の方が優位になりやすい。裏取りからの大逆転も当然起こり得るが、やはりそのために前面が注意を引く必要があり、人数が減った分だけそれも難易度が高くなっている。
この環境変化が良いことがどうかは判断が難しい。対戦チームに同士にある程度の実力差があれば戦況が覆らないので、最後まで気を抜けない戦いではなくなってしまったと嘆くのか、雑なアルティメットアビリティの応酬や、一か八かの特攻が通らなくなったことで、より競技性が増したと捉えるかは人それぞれだろう。
仮にこれをデメリットと捉えても、前項のメリットの方が大きいと考える。
前作からの変化の乏しさはマイナス評価に繋がらない
最後に、前作からの変化量の少なさについて言及する。オーバーウォッチ2には前作から32人のヒーローが引き続き参戦し、各ロールに1人追加され合計で35人のヒーローが登場する。ナンバリングが上がったにもかかわらず、たった3人しか追加されないと思うかもしれないが、オーバーウォッチは元々は22人のヒーローが登場するゲームだった。これまでに無償で10人のヒーローが追加されており、対戦環境は常に変化し続けている。
また、単にキャラクターを追加するだけではなく、頻繁にドラスティックなバランス調整が行われることも、オーバーウォッチの特徴だ。ヒーローの性能調整に飽き足らず、アビリティ自体が全く性能が異なるものに置き換わることもある。
例えば、タレットの設置が特徴的なトールビョーンは、タレット設置後に建築アクションをすることでタレットが成長し、アルティメットを発動するとタレットが大幅強化されるという特殊なヒーローだった。プレイヤーのスキル外で戦うスタイルは初期こそは猛威を振るったが、火力が下方修正された上に多くのプレイヤーが対処方法を覚えると、トールビョーンは全くと言って良い程にピックされなくなった。そこでバランス調整の結果、火力を元に戻すのではなく、タレットは設置すれば自動成長となり、プレイヤーのスキルに対する依存度を上げるために自己バフのアビリティが追加された。さらにアルティメットは広範囲に溶鉄を撒き散らしてスリップダメージを与えるという、全く異なるものに置き換わった。
このようなヒーローのリメイクというレベルの調整は、オーバーウォッチ2でも行われている。例えばタンクのオリーサは、前作では離れた場所に設置型シールドを投擲したり、敵ヒーローを一瞬だけ引き寄せるエネルギー弾を発射することで移動妨害しつつ、自身は一時的な防御系バフを発動しながら、低威力のエネルギーマシンガンで戦うヒーローだった。しかし本作では、シールドと吸引弾は捨て去り、相手を大きくノックバックして落下などの環境キルを狙えるジャベリン投擲と、移動力を向上させて突進・攻撃するジャベリンスピンが追加されたので、ほぼ別ヒーローと言って良い仕上がりになっている。
同じヒーローでも新鮮さを感じさせてくれる!
ヒーロー以外にも、ルール調整が行われてきた実績もある。オーバーウォッチは当初、ヒーロー被りが許されており、ラインハルト6人がタックルで突っ込んでシールド展開したり、それをタレット6台で迎え撃ったりと、e-スポーツと呼ぶにはふさわしくない無法地帯だった。それがヒーロー被りが無しになり、次は各ロールの2人までになり、最終的にはロールキューが導入された。そして、オーバーウォッチ2ではタンク人数が1人になっている。ちなみに途中までは、ディフェンスというロールも存在していたが、多くのヒーローはダメージと統合されている。
時には勇み足で誤った調整が入ることもあるが、リメイクレベルのバランス調整を頻繁に行うフットワークの軽さは、オーバウォッチの魅力の一つだ。本作を前作の最終バージョンと比較すると、せいぜいオーバーウォッチ1.3程度にしか思えないが、初期バージョンと比較すれば、既にオーバーウォッチ2.5ぐらいまで進化している。従って、変化に乏しかったとしても問題は無く、これからも同じように進化し続けてくれれば何の不満も無いのである。
評価ポイントのまとめ
オーバーウォッチは前作の時点で神ゲーであり、進化を続ける神ゲーでもあった。オーバーウォッチ2も間違いなく面白く、今後も更なる進化を期待できるが評価は★4.5とした。理由はPvEモードが実装されていないからだ。
PvEモードは2年前にオーバーウォッチ2が正式発表された時点からメインコンテンツに据えられていたものだ。PvEモードは今までも期間限定イベントとして実装されており、好評を博していたので多くのプレイヤーが待ち望んでいたのだが、その実装は2023年度になる。正直なところ、これには肩透かしを食らったような印象を受けてしまった。
いずれ遊べるのであれば減点する必要はないと考えるかもしれないが、新規参入プレイヤーのことを考えると、CPU相手にチームで戦うPvEモードは優先的に実装する必要があった。オーバーウォッチは選択したロール内であればヒーローを変更できるため、敵チームに相性の悪いヒーローが居た場合は、リスポーン時に相性の良いヒーローに切り替える“カウンターピック”が重要となる。しかし、最初から35人ものヒーローが飛び交うと、それぞれの特徴を覚えることが大変である。本来はその辺りの訓練を兼ねてPvEモードを遊べればベストだったのだ。
最初は上級者向けのヒーローをピック出来ないようにアンロックされているが、マッチングした相手は使ってくるので相性把握が困難。
後は些細なことかもしれないが、ナンバリングが変わったのであれば、オープニングムービーは変えて欲しかった。
長所
- チームシューターとして圧倒的な面白さ
- ダメージロールのマッチング大幅改善
- このクオリティでまさかの無料
短所
- OW2からプレイすると、キャラ特性を把握しきるまでカウンターピックが働かない
- オープニングが相変わらずの眼鏡ゴリラ
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