点数評価 | 75点 |
クリア時間 | 約32時間 |
プレイ状況 | アクションモードでクリア トロフィー:48% |
プレイ時間 | 約32時間 |
発売日 | 2023年6月22日 |
対応機種 | PS5 |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
ジャンル | アクションRPG ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
スクウェア・エニックス発の作品は何かと低評価されがちだが、FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16,FF16)は、そのような風潮を覆せそうな最高のアクションRPGである。シンプルながらも奥深いバトルは万人を満足させることができ、伝統を捨て去ったと思いきや古参のファンのフォローを忘れていないなど、取り組み姿勢は完璧である。また、QTEを上手く取り込んだ召喚獣合戦は、動かせるムービーとしてかなり高いレベルに仕上がっている。CEROレーティングDランクによって広がった表現を上手く使ったストーリーの出来も上々で、人によっては神ゲーと評価するだろう。実際にバトルシーンに限定すれば神ゲーと言って差し支えないが、何度指摘されても拘り続けた画面の暗さからは何一つ利点を見出せず、それが原因で評価を下げてしまったことは残念である。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)は、約6年半ぶりに発売されたファイナルファンタジーシリーズのナンバリング最新作だ。ファイナルファンタジー14で大成功を収めた吉田直樹がプロデューサーを務め、ナンバリングシリーズとしては初めてコマンドを廃した完全なアクションRPGとして作られており、さらにはCEROレーティングはDランクが採用されるなど、次世代のファイナルファンタジーとして期待されていた作品である。当レビューでは、進化したバトルと重厚なストーリーに触れたうえで、本作が抱える問題点について言及する。
攻撃特化型でシンプルだが奥深いバトルシステム
ファイナルファンタジー16の評価の中で、特に高い割合を占める部分はバトルである。本作のバトルは、人間状態で行う通常戦闘と召喚獣に顕現して行う召喚獣合戦に分かれているが、どちらも実に満足度の高い仕上がりである。
本作には、従来のファイナルファンタジーシリーズで採用されていたコマンド選択式のバトルは存在せず、攻撃や回避などを割り振ったボタンの入力がキャラクターの動きに直結するアクションゲームとなっている。しかも、従来のファイナルファンタジーシリーズのコマンド選択式のバトルをアクションゲームに落とし込むのではなく、様々な伝統を捨て去ることでシンプルを極め、徹底してアクション操作に集中できるように作られている。
具体的には、弱点や耐性と言った属性によるダメージ補正は廃止され、ケアルのような回復魔法やプロテスのような補助魔法も使用できなくなっている。そしてプレイヤーが取れる行動は、物理攻撃,魔法攻撃,回避,アイテムの使用,召喚獣アクションに限定される。物理攻撃は最大4連撃だけであり、使用する武器によるモーション変化や、アクションゲームにありがちな攻撃途中からの追加入力による行動の派生も無い。さらに、使用できるアイテムの種類は非常に少なく、回復用のポーションとハイポーション、バフ効果用のまもりの薬とちからの薬が基本となっている。
物理攻撃と魔法攻撃はボタンの長押しによるチャージで高威力化することができるが、物理攻撃であれば斬撃が叩き付けるようなバーニングブレードに変化し、魔法はファイアがファイラになるだけであり、一切迷うことの無い仕様になっている。また、打ち上げた敵に空中で追撃することでエリアル用の専用モーションに変化するが、操作感は特に変わらない。
召喚獣を変えると魔法名称は変わる。使える魔法は基本とラ系統の2段階のみ。ガ系統やジャ系統はイベントで登場するがプレイヤーは使えない。
HPを削り切れば敵を倒せることは一般的なアクションゲームと同じだが、本作では気力や体幹に相当するウィルゲージと呼ばれるものが用意されている。ウィルゲージを削り切ることで敵をテイクダウンという一定時間の無抵抗状態に追い込むことができ、更なる追撃で大ダメージを期待できるのだが、ゲージを削るためには物理攻撃が当たった瞬間に魔法を放つことでマジックバーストという連撃が重要となる。このマジックバーストによる連撃のお陰で、シンプルで直感的に操作し易いにもかかわらず、物理攻撃と魔法攻撃が入り乱れるハイスピードで爽快なバトルに仕上がっている。
次の動画は、敵をジャンプで踏みつけた後にチャージ物理攻撃で打ち上げ、そこからエリアル連撃の最後にファイアを当て、落下攻撃のダウンスラストで追撃後にファイアを追加し、更に突進攻撃のランジで追撃したうえでファイアで追い込んでいる様子だ。
このように書くと操作が難しそうに聞こえるのだが、この動画ではジャンプの×ボタン,物理攻撃の□ボタン,魔法攻撃の△ボタンしか使っていない。また、斬り下ろすダウンスラストと前方へ突きを放つランジは、□ボタンと×ボタンの同時押しであり、空中と地上の技の変化に過ぎない。タイミング良く攻撃を合わせていくにはそれなりに操作の習熟が必要となるが、システムの理解自体は容易である。
アクションゲームに自身が無ければ苦手意識が湧くかもしれない。しかし、物理4連撃の最後に魔法を撃つだけでも十分に戦える。
前項で説明した通り基本的な操作はシンプルだが、ここに召喚獣アクションが加わることで戦闘の幅が相当に広がっている。召喚獣アクションには、敵との距離を詰める,よろけた相手を引き倒す,敵の攻撃をガードするといった特別な行動を発生させるフィートと、クールタイムが設定されている代わりに大きなダメージを与えることが出来るアビリティの2種類が用意されている。なお、フィートは〇ボタン,アビリティはR2トリガーと一緒に□ボタンまたは△ボタンを押すだけで発動できるので、こちらも基本操作と同じく迷うことは無いだろう。
ストーリーが進めば最終的に、フィートは3種類,アビリティは6種類を装備できるようになる。これらを通常攻撃に繋げて自分だけの攻撃パターンを作り込んでいくことが本作のバトルの醍醐味だ。単純に高威力だけを狙った構成にしても良いし、打ち上げてからの空中コンボやカウンターを狙っていくテクニカルな構成にしても良い。攻撃モーションを初期化するキャンセル技や、オブジェクトを設置することで追加ダメージを発生させる技などもあり、アクションゲーマーが好みそうなバトルスタイルは手広くフォローされているため、召喚獣アクションの組み合わせを考えることが実に楽しい。
ハイスピードな攻撃コンボに加えて、複数のクールタイムを伴うアビリティ,カウンター,キャンセルなどと聞くと、本作はアクションゲームとして難しそうに感じるかもしれないが、決してそのようなことはない。アクションに特化したアクションフォーカスモードであっても、召喚獣のフィートとアビリティを適当に連続して出すだけでも様になった動きが出来るうえに、ゲームオーバー時には一定値までボスの体力が減った状態かつ、こちらのHPが万全の状態にてリトライできるようになっている。そのため、2週目の高難易度モードでない限りはクリアできないということは無いはずだ。最悪の場合は、操作を簡略化して自動回避を行ってくれるストーリーフォーカスモードに切り替えれば絶対にクリアできるようになっている。
次の動画は硬い敵を相手に、“適当にフィートとアビリティを出しているだけ”の様子である。途中でチャージ攻撃を挟んではいるものの、それ以外はガルーダの敵を引き倒すフィートと5種類のアビリティを出しているだけだ。このように、何も考えずに召喚獣アクションを連打しているだけでも、割と格好良く敵に連撃をお見舞いできていることが分かるだろう。
なお、簡単操作でも格好良く戦えることは事実だが、それは本作のバトルシステムの底が浅いことを意味する訳ではない。ダメージ効率を最大まで高めようと思うと本作のバトルシステムは奥深く、30種類近い召喚獣アクションからどれを選択するかといった研究の余地は大きい。また、チャージ攻撃をどこで挟むべきかや、特に大きなチャンスとなるテイクダウンを見越してアビリティのクールタイムを調整するなど、戦闘中にも考えることは多いためアクションゲームを好むプレイヤーであれば絶対に満足のできる内容となっている。
ファイナルファンタジー16のテーマの一つになっている“召喚獣合戦”では、プレイヤーは主人公クライヴが顕現したイフリートを操作し、シリーズでお馴染みの召喚獣達と戦うことになる。召喚獣合戦における操作は、人間時を踏襲しつつもさらにシンプルになり、余り深く考えずに召喚獣同士のド派手な殴り合いを楽しむことが出来る。
召喚獣という圧倒的な存在を表現するために、HPは推定で数百万といった桁違いの値が設定されており、1回の攻撃で数千~数万といったインフレしたような値が飛び交うことになる。召喚獣合戦は大味な戦闘なので、余ほど操作に失敗しない限りは負けることは無く、プレイヤーが自ら動かせるムービーのような位置付けだ。召喚獣合戦はムービーで終わらせても成立するところだが、手間をかけて戦闘に落とし込んでくれたことで、プレイヤー自身の手で“召喚獣を倒した”実感を得ることが出来るようになっている。
また、“大きな数字が飛び交う戦闘”というだけではなく、敵召喚獣のHPを何割か削るごとにQTEイベントが発生し、シネマティックな演出が挿入されることが嬉しい。特にフィニッシュシーンでは、QTEからの流れで大技をブチかまして数十万ダメージを与えて残り2割ほどを一気に削り切る大迫力の演出が挿入される。
大きな数字が飛び交い怪獣映画さながらの殴り合いは迫力こそあるものの、プレイヤー自身の手で延々と続けたいものではない。とはいえ、召喚獣のHPを下げて戦闘の尺を短くすると、召喚獣の圧倒的な存在感が損なわれてしまう。そのため、プレイヤーの介入は程々に、適度にQTEイベントでダメージを与えつつ、最終的には数十万ダメージ与えて一気にフィニッシュへ持っていくという流れは良い落とし所だろう。
QTEを導入することの是非についてはゲーマーの間でも意見が分かれるところだが、ファイナルファンタジー16のQTEは良質なプレイ体験に寄与するものである。流石に、世界最高峰のアクションRPG『ゴッド・オブ・ウォー』に採用されているQTEの質には届かないものの、十分に満足できる仕上がりと言ってよいだろう。
単純な連打QTEでも力が入るようなシーンが多い。個人的には、ストーリーで態度の気に入らないベネディクタのガルーダに対して、イフリートがパウンドを落としまくるシーンがお気に入り。
なお、召喚獣合戦時に流れるサウンドはファイナルファンタジー16における屈指の名曲だ。激しさや力強さよりも、召喚獣の雄大さや偉大さを表現したようなコーラスが特徴的である。この曲のためだけにもサウンドトラックを買いたくなるような出来栄えであることを補足しておきたい。
歴代のファイナルファンタジーシリーズが積み上げてきた様々な要素を捨て去り、まさに新境地に達したようなバトルシステムは多くのアクションゲーマーを満足させることだろう。しかしこの手の取り組みは、何かと古参のファンの反感を買うものである。本作はその辺りの対策も抜かりが無く、イベント限定や敵専用ではあるものの、古参のファンであれば思わずニヤリとしてしまう演出が幾つも用意されている。
次の動画はとあるシーンで登場するネクロフォビアという中ボスとの戦闘シーンである。この中ボスは戦闘途中に懐かしの“魔法剣”を繰り出してくる。前述の通り、属性そのものに意味が無いのだが、ファイガ,ブリザガ,サンダガと3属性を切り替えながらの魔法剣とは何ともサービス精神が旺盛だ。しかも、間髪を入れずに“連続魔”に繋げてくるため、中ボスの猛攻を受けてゲーム的には辛い中でも、プレイヤーとしては懐かしさがこみ上げて笑みがこぼれて来るという、なかなかに複雑な感情を味わうことができた。
また、召喚獣合戦においてもこの手の演出は用意されており、敵の技を習得して自身のものとする“ラーニング”がQTEからの繋がりで挿入されることがある。主人公クライヴは他者の召喚獣を取り込むという性質を持っているが、そこからの着想として戦闘シーンでもラーニングという演出が用意されているのだろう。他にも、過去作品から取り入れたであろう演出は多数用意されているので、そのような部分に着目しても面白いはずだ。
召喚獣オーディン戦では、思いもよらないレア技が採用されている。是非とも自分の目で確認してもらいたい。
ストーリーの出来は良く、補足資料も充実
ファイナルファンタジー16は、表現内容により対象年齢等を表示する制度であるCEROレーティングにて、17歳以上を推奨するDランクを採用している。ファイナルファンタジーシリーズのナンバリング作品としては初めての高ランクであり、出血表現,差別表現,濡れ場などが用意されることで、本作は“大人向け”に仕上がっている。
本作の物語の舞台となるヴァリスゼア大陸では、クリスタルを使わずとも魔法を使える人々は“ベアラー”と呼ばれ、奴隷階級として使役されている。主人公クライヴもロザリア公国の第一王子でありながらも戦乱を経て奴隷兵に身をやつし、苦難の道を歩んでいくことになる。CEROのレーティングがDランクになったことにより各種イベントにおける表現の幅が広がり、何とも救いの無い、俗にいう“胸糞”な展開が待ち受けている。
自身の経験や行く先々で苦しむベアラー達を目の当たりにし、主人公クライヴは“人が人として生きられる世界”を目指して戦い続ける訳だが、CEROのレーティングを上げて残酷な表現を出来るようになったことでクライヴの目標に重みを感じられ、さらには各登場人物の行動に引き込まれる物語に仕上がっている。
ただし、ストーリーに関しては気になる点は存在する。重苦しいストーリー展開自体は成功しているのだが、制作の途中で開発陣が力尽きたのだろうか、ゲーム終盤に召喚獣オーディンを擁するウォールード王国に話が移ってからは急激な失速を感じることになる。
ウォールード王国では、出奔したシドに関するエピソードの掘り下げがある訳でも無く、建国の王であるバルナバスが大陸の外からやって来たという設定が大して活きる訳でも無い。また、エーテルが枯渇した土地である“黒の一帯”の浸食が激しい灰の大陸という設定からは、そのような中で国家が維持されてきた理由のようなエピソードがあるのかと思いきや、残念ながら詳細は語られない。また、一時的にはオーディンに加えてラムウとガルーダまで擁していたにもかかわらず、大陸全土まで勢力を伸ばしていないという点も説明が無く不自然である。
ウォールード王国関連の展開には不満は残るものの、全体的にメインストーリーは及第点である。また、かなりの数のサブクエストが用意されているが、そちらはオープンワールドゲームにありそうなお使いが大半だ。使い走りされた先でモンスターを倒して戻ってくるだけなので余り面白みは無いが、武器の強化素材が手に入ったりアイテム所持数の上限が解放されたりと、重要な物もあるので幾つかはクリアしていきたい。
物語の舞台となるヴァリスゼア大陸では、四つの大国が計略を巡らせておりストラテジーゲームのように情勢が変化していく。固有名詞も多いことから展開を掴みにくい場面も多々あるが、アクティブタイムロアと呼ばれる機能にて、いつでもメインストーリーに関係した重要なキーワードだけを抽出して解説文を読むことが出来る配慮がされている。
単純に辞典機能が用意されているだけでは、プレイヤーによっては調べるという行為そのものを面倒臭く感じ、折角のストーリーを“なんとなく”の理解で流してしまう可能性がある。しかし、現在の進行状態に合わせて絞られた内容へワンタッチでアクセスできることにより、その憂いを断つ取り組みは画期的で素晴らしい。
また、刻々と変化する世界情勢については、時系列に沿って各国の進軍ルートや主人公たちの動向が分かりやすくまとめられている。事態が大きく動いた際には世界情勢の確認そのものがメインクエストに取り入れられたりと、確認が億劫になりがちなプレイヤーを上手く誘導している点も評価が高い。
非常に親切に世界観の解説資料が用意されているので、本作に対して“ストーリーが分かり難い”などという批判はあり得ない。アクティブタイムロアそのものを、初回起動時にその仕組みを“覚えておくと便利”と注釈が入る。
画面の暗さと価格設定で評価を下げる
バトルは神ゲークラスの面白さで、ストーリーはやや不満はあるものの及第点なファイナルファンタジー16だが、発売前から物議を醸していたように画面が暗くて視認性は悪い。発売前の実機プレイ映像で画面の暗さを指摘された際には、『HDR対応の環境で遊ぶ前提の作品であるため、HDR非対応の環境でプレイすると暗く見える』と開発陣から説明があった。しかしこれは真っ赤な嘘であり、実際にはHDR対応環境にて、ゲーム内の明るさ設定を最大にしてもまだ暗い。
筆者はHDRに対応した「4K有機ELレグザ 55X9400S」にてプレイしている。念のためにテレビ側及びPS5側のHDR設定を改めて見直したが何の問題も無かった。画面が暗いのはファイナルファンタジー16側の問題。他のゲームでは一切暗いと感じたことは無いし、スクリーンショットを見れば暗いことは火を見るよりも明らか。
ストーリーの進行上、闇夜に紛れて行動するシーンや、洞窟のような狭所を通るシーンでは画面が暗くなることは仕方が無いだろう。しかし本作は、時間帯の設定が必要がないシーンでも夕暮れ時が多く、折角の昼間であっても太陽光が遮られた曇天が大半だ。砂漠では遂に快晴が用意されているが喜びも束の間、ストーリー進行とともに空模様は変化して暗くなってしまう。
また、画面が暗いだけならまだしも、本作は全体的に配色センスが著しく悪い。例えば召喚獣であれば、バトルシステム上は意味を成さないものの、各々が炎や雷と言った馴染み深い属性を持っているにもかかわらず全てが灰色基調とした配色となっている。イフリートであれば内側に秘めた炎,ガルーダであれば攻撃と共に巻き起こる風で属性色は感じることができるのだが、これらは1枚絵のコンセプトアートで見ると灰色の中に属性色が差し色になって格好良い仕上がりなのかもしれない。しかし、ゲーム内は前述の通り暗いので、そこにこのような配色を持ってこられると、何やっていても“見難い”という印象が付き纏う。
召喚獣以外のモンスターも大半が見難く、一番最悪なのは恐らくアカシックドラゴンだろう。このモンスターとはクリスタルの近傍で戦うのだが、鈍く青白い輝きを放つクリスタル背景とアカシックドラゴンの本体色が近いため、保護色のような効果を発揮しており、絶望的なまでに視認性が悪い。ロックオン機能があり各種UIが表示されているため、戦闘中に敵を見失うことは無いが、極上の戦闘を楽しみながらも“画面が暗くて見難い”という感情が、心の片隅で芽生えてきて評価を下げることは間違いない。
このように、本作からは“絶対に暗くしたい”という強い意志を感じるが、それによって一体何を得たのか理解できない。本作の体験版が配信された際には、“一部だけ暗いシーンもあるが、体験版以上に暗くなることは無い”と説明があった。確かに、体験版と比較して著しく暗くシーンは無かったが、“一部だけ暗い”という説明はHDR設定と同様に嘘である。適正な明るさのシーンは全体の1割程度であり残りの9割は暗いシーンばかりだ。このような常人には理解しがたい画面の暗さにより、折角の高評価にケチが付いてしまったことは残念だ。
ファイナルファンタジー16の希望小売価格は9,900円である。当作品が発売された2023年6月現在、物価は上昇傾向にあり賃金改善の機運も高まりあらゆる製品の価格が上向きに改定されているが、それを考慮しても9,900円という強気の値付けは異常だ。日本よりも物価の高い国で作られた、ファイナルファンタジー16よりも開発規模が大きく、開発期間が長い作品であってもこのような価格設定は見られない。
スクウェア・エニックスから発売されるゲームは、内容の良し悪しに関係なく投げ売りされることが常になっているため、投げ売りを見越して高く設定しているのだろうか。あるいは、スクウェア・エニックスやファイナルファンタジーというブランドの価値を錯誤してこのような値付けをしているのだろうか。異常に高い値付けが行われる真相は不明だが、このような値付けによってコストパフォーマンスの評価を下げたことは事実である。
評価ポイントのまとめ
ファイナルファンタジー16は、画面の暗さと高い価格には不満を覚えるものの、バトルシステムは一級品。アクションゲーマーであればプレイしておきたい。
長所
- 攻撃特化の面白い戦闘
- 大迫力の召喚獣バトル
- 重厚なストーリー
短所
- 画面が暗い
- 色彩が悪い
- 価格が高過ぎる
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