点数評価 | 100点 |
プレイ時間 | 約20時間 |
プレイ状況 | 裏ボスまでクリア トロフィー:68% |
発売日 | 2020年4月24日 |
対応機種 | PS4/Switch/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
ジャンル | アクションRPG ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
1995年9月30日に発売され、約80万本を売り上げたレジェンドゲーム“聖剣伝説3”が、2020年4月24日に聖剣伝説3 TRIALS of MANA(トライアルズ オブ マナ)として、PS4とSwitch向けにフルリメイク。
アクションやキャラ育成で大きく変わったバトルシステムは刷新されており、完全に3D作り直されたグラフィックが売りとなっている。
ストーリー自体には特に手を加えられておらず、昔ながらのJRPG的展開には目新しさは無いので★4にしているが、フルリメイクというゲーム製作行為において完璧であり、非常に満足度の高い仕上がりになっているため点数評価は100点とした。
主人公選択画面の時点でニヤニヤが止まらないグラフィック
聖剣伝説3 TRIALS of MANAはキャラクターが3Dで完全に作り直されている。
このように見て分かる通り、一番最初の主人公選択の時点でアンジェラが最高に可愛く仕上がっている。
アンジェラって元々こんな感じの露出度高い魔法使いだっただろ?何をいまさら?
と、思ったかもしれない。
しかし、SFC版は次の様なデザインだ。
誰がどう見ても聖剣伝説3のアンジェラだと判断できる、完璧なリメイクデザインであり、昔からこんな感じだったと錯覚してしまうレベルの違和感のないアレンジが施されている。
最近は肌が出ていると何かと煩いが、全力でプレイヤーに媚びてくる姿勢は清清しい。
左下に出ている小窓の顔グラもポイント高い。如何にもスマホ向けソシャゲの、限られた表示範囲内でキャラを主張してくるタイプのイラストである。スマホ向けソシャゲは嫌いだが、ああいう所で培った“見せ方のスキル”が、家庭用機向けにも活きて来ることは事実だ。
旧作のドット絵も当然ながら素晴らしかったが、リメイクでアンリアルエンジンを使った3Dモデルへ変更され、ストーリー展開に合わせてキャラの表情がしっかりと分かるようになった。そのお陰で、ストーリー展開に感情移入しやすくなっている。
ついつい、キャラに目が行がちだが、街並みも見事にアレンジされている。
聖剣伝説といえば、大砲のファストトラベルが有名だが、あれがリメイクされると絵面的には流石に無理がある。しかし、それはそれで趣があって良かった。
メインキャラクター以外の登場人物や町人も手を抜かずに作りこまれている。
スクエニのモデリング担当はアンリアルエンジンを使って、何をどうすれば受けが良くなるのか完全に把握しているのだろう。このあたりは、ドラゴンクエスト11の3Dモードに通ずるものがあるのではなだろうか。
SFC版と全然違うが違和感なく入り込める戦闘システム
聖剣伝説3 TRIALS of MANAの戦闘システムは、リメイクに伴って刷新されている。
特技やアイテムをお馴染みのリングコマンドから選ぶ操作だけは変わっていないが、□弱攻撃と△強攻撃に加えて、戦闘中に敵に攻撃を当てると貯める事の出来るゲージを消費して必殺技を繰り出せるようになった。
また、戦闘システムに影響を及ぼす一番大きな変更点として、敵の攻撃範囲が表示されるようになっている。敵が特技を使うと攻撃範囲が表示されるので、その中に留まっているとダメージを食らう。○ボタンの緊急回避で範囲外へ移動すればノーダメージだ。
ボス戦や一部のザコの組み合わせによっては、辺り一面が攻撃範囲に埋め尽くされるので、順番に攻撃を見切って回避していくか、必殺技の無敵モーションでやり過ごしたりしながら反撃を入れていく。
攻撃範囲が表示されるお陰で、必中の魔法や特技は基本的に存在しない。そのため、回避がうまい人なら多くの敵をノーダメージで倒すことができるだろう。
操作に慣れてくると、難易度ノーマルの場合は敵の攻撃を余裕で回避することが出来て、戦闘に歯ごたえがなく物足りないだろう。従って、普段からアクションゲームをよく遊ぶ人なら、プレイ開始時にハードモードを選ぶことを推奨したい。
筆者は、ハードモード+全員闇のクラスチェンジ縛りでプレイした。その結果、ボス戦では回復が追いつかずに蘇生アイテムを連打する事になってやり応えがあった。
次の動画は、旧作の戦闘シーンである。
この動画と本作を見比べると、キャラの見た目と同様に戦闘システムも大幅に変更されていることが分かるはずだ。しかし、なかなか不思議なもので、何一つ違うにも関わらず、リメイク版をプレイ開始した際には、“こんな感じのアクションゲームだったな”という、思い出が蘇ってきた。
これは、SFC当時には再現できなかったけれども、当時思い描いてた聖剣伝説3の理想の姿が、まさにリメイク版だったということだろう。最新ハードで見事に理想を完全表現できるようになり、違和感の無い仕上がりになったのだ。
次に触れたいのは、キャラクターの育成システムだ。聖剣伝説3 TRIALS of MANAでは、キャラ育成の選択肢が増えており、プレイヤーが定めた育成方針が、バトルの難易度に直結している。レベルアップで入手する育成ポイントを、力や守などの5項目に振ることで、特技以外にも様々なアビリティを覚える事が可能となっている。
アビリティを装備できる数は限られているので、ザコ戦では撃破時HP回復や、勝利時SP回復のような、継続戦闘を有利にするものを付けたり、ボス戦ではステータスダウン時間短縮や、HP低下で防御アップを付けて倒されにくくしたりと、状況によって付け替える。
このアビリティの付け替えは、組み合わせを複数セット保存できて、ボタン一つで切り替えできればベストだったのだが、そのような便利機能は用意されていないため、付け替えが面倒くさくなってザコ戦仕様のままボス戦に突入しがちだ。
次のスクリーンショットは、何も考えずに脳筋ビルドにして上位クラスにクラスチェンジしたら、目玉スキルのヨルムンガルド習得が遠くて困っているリースの図である。
上位クラスへのクラスチェンジは、???の種からランダムで手に入るクラスチェンジアイテムを利用することになる。そのため、種から入手したクラスによっては、そこまでのスキル振りとマッチしていないことがある。
しかし、こういう事態になってもスキルの振り直しが可能であり、クラスチェンジも後からやり直しができるので、深く考えずに楽しんで問題ないことは嬉しい。
行先ガイドの追加や音楽アレンジも高評価
聖剣伝説3 TRIALS of MANAは、リメイク作業に関わるゲーム業界人たちは絶対に参考にして欲しい!と、思えるぐらいに素晴らしいフルリメイク作品だ。
前2項では、主にグラフィックとバトルについて触れたが、細かい部分でも快適にプレイ出来るような配慮が感じられた。特に行先ガイドは非常に有難い。
SFC版では、ブースカやフラミーが手に入った直後にプレイを中断すると、“次の目的地はどこだっけ?”と、行先に迷っていた記憶があるが、リメイク版で追加された行先ガイドによって、プレイ間隔が空いてしまっても迷うことがない。この行き先ガイドは、フィールドの大間かな場所だけでなく、街やダンジョンでも最短移動ルートを教えてくれるので便利。人によってはプラチナトロフィー狙いで3周するゲームなので、快適な移動は実にありがたいだろう。
ちなみに、音楽もフルアレンジされている。聖剣伝説3は2と比べると音楽の評価が低かったが、アレンジによって大幅に聞き応えのある曲に改善されている。個人的にはアレンジ版しかありえないと思っているが、オプションからオリジナル音源も選ぶことが可能になっており、旧作ファンへのフォローも忘れていない。
ゲームは一人用でオンライン要素も無く、周回も最大3周で終わるので、中古市場の出回りはやや多め。従って、値崩れ気味なので新品・中古どちらも比較的安く買える状況なので、旧作ファンのみならずアクションゲーム好きにも手を取ってもらいたい。(2020年7月15日現在の状況)
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