点数評価 | 60点 |
クリア時間 | 約10時間 |
プレイ時間 | 約10時間 |
プレイ状況 | クリア トロフィー:47% |
発売日 | 2020年9月4日 |
対応機種 | PS4/PS5/Xbox/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | CRYSTAL DYNAMICS |
発売元 | スクウェア・エニックス |
ジャンル | アクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
長い歴史を持ち、世界中にファンを持つマーベルのアベンジャーズ。その期待はベータ版のダウンロード数にも現れており、ベータ版はゲーム史上最も世界でダウンロードされている。
参考 『Marvel’s Avengers』ベータが「PS史上最も全世界でダウンロードされたベータ版」にGameSpark
果たして、その実力はどの程度なのか?キャンペーンモードをクリアして、coopを少しだけプレイしてみたのでレビューする。
クリア後要素に関しては別記事を参照。
序盤の絵面は悪いがストーリーと戦闘は面白い
Marvel’s Avengersのストーリーは、とある事件を発端に解散に追い込まれたアベンジャーズを再結成させて悪に立ち向かうという、超王道的な展開だ。王道の展開を人気のアベンジャーズキャラで遊べるので安心感があるのだが、最初から好きなキャラクターで遊べる訳ではなく、最初は本作の主人公である“カマラ・カーン”をメインに操作する事になる。
カマラはアベンジャーズの二次創作活動に精を出しており、同人誌がファンイベントの最終選考に残るレベルの実力者だ。ストーリーは幼きカーラがファンイベントで展示物を見て回る最中に、とある事件が発生してアベンジャーズは事実上解散するところから始まる。そして事件から5年後、能力に目覚めたカマラは、アベンジャーズのリアッセンブルの為に戦いを始めるというお話。
カマラは手足をゴムの様に伸ばしたり、サイズを大きくしたり出来る能力を持っており、ちょっと変わった間合いの格闘タイプ。遠隔攻撃もグーパンチが伸びる。
本作は、フィールドの指定地に向かうと敵が大量に出現するので、それらを殲滅して次の目的地へ移動を、繰り返すタイプのアクションゲームだ。
ワラワラと湧いて来る敵をカマラで吹っ飛ばしていると、ワンピース海賊無双でルフィを操作している気分になってくる。そして移動は完全にSEKIROである。
オープニングでは全キャラを操作させてくれるが、本編の序盤3時間ぐらいはカマラとハルクのみしか使えない。
ちょっと地味な女ルフィと、地球壊しかねないから仲間に騙されて宇宙に追放される緑色の脳筋という、余り絵面が良くないシーンが暫く続く。さらに、次に仲間になるアイアンマンは諸事情で銀色でボロボロのアーマーを着ている。
キャラクターの魅力がウリのアベンジャーズなので、見た目のバランスを取るために、美しき暗殺者ブラックウィドウを最初から使わせてくれても良かった気がするが、とにかく序盤は絵面的には我慢しかない。
ちなみにトニー・スタークは、アーマー無しでヘルメット&リパルサーの偽アイアンマンみたいな姿にもなる。展開についてはお楽しみなのでネタバレしないが、短期間のイベントでもしっかりと専用の衣装が用意されており、ファンサービスは抜群と言える。
バグが多いうえに導線が悪く、アンセムを思い出す
Marvel’s Avengersは、アクション部分の出来は良い。6人のMCUヒーローを映画そのままに操作可能であり、映画ファンも満足できるレベルの再現度だ。
各ヒーローにはスキルツリーとランダムなパークが付いた装備が用意されているので、スキルとパークの最適な組み合わせを探るのも楽しく、同じヒーローでも様々な戦い方を繰り広げることが可能となっている。
用意されている6人のヒーローは全く特性が異なるため、操作に飽きるという心配も無用。また、DLCにて今後もヒーローの追加が確定しており、既に3人が発表されている。そのため、相当長く遊べることは間違いない。
- ホークアイ
- ケイト・ビショップ(2代目ホークアイ)
弓キャラ2連続の理由は、ブラックパンサー役のチャドウィック・ボーズマンが亡くなった関係で、追加順番が変わって致し方無くというウワサ。 - スパイダーマン(PS4独占)
しかし、Marvel’s Avengersには、アクションゲームとしての良さを阻害する要素が多数存在する。
- 非戦闘パートの導線が悪く、買い物やミッション受注が億劫になる。
- 敵が密集すると処理落ちしたり、味方キャラが棒立ちで動かなくなったりする。
- 急にカメラが暴走してグルグル回る。
- オープンワールドでもないのにロードが長め。(初期PS4+SSDでロードに20秒ほど)
- オンラインマッチングが上手くいかない事が多い。
- 硬い敵が余りに多い。特に盾持ちはハルクでも正面突破不可。
処理落ち、カメラ異常、ロード、マッチングに関しては、PS4版から無償でPS5版に移行できる事が確定しているので目を瞑ろう。(それで改善するという保証はないが)
ヒーロー達の拠点の大きさは、ボーダーランズ3の宇宙船と同じぐらいだろうか。そこまで広くないのだが、拠点では何故かダッシュが出来ないので移動に時間が掛かる。そして、買い物する、ミッションを受注する、ミッション報酬を受け取る、見た目装備を手に入れるなど、それらの担当が離れた所に配置されているため何かと移動が面倒くさい。ストーリーの初回だけ移動して、2回目からはウォー・テーブルでジャービスを介して全てがリモートで実行できればスムーズだったのだが、そのような配慮はされていない。
ちなみに、装備の強化や解体だけは、いつでもどこでも戦闘の途中でも可能。恐らくこの仕様は、ハクスラ要素の関係でドロップアイテムが多く、直ぐにインベントリが一杯になるからだろう。
本作は最初こそ大量の敵をサクサク倒せて無双感があるものの、少し進めると鬱陶しい盾持ちが頻繁に出てくる。クリア後もひたすら周回するゲームなので、圧倒的防御力を誇る敵は高難易度ミッションだけに用意して欲しかった。キャンペーンモードはやはりヒーロー体験が重要である。
ちなみに、ザコ敵の盾はキャプテンアメリカのシールドよりも高性能だ。たとえハルクのパンチであっても正面から殴ると弾かれる。パワータイプのヒーローなら、ブロックされても何割か貫通ダメージが入っても良かっただろう。
その他、細かなバグが至る所に存在するので、折角の魅力的なヒーローとアクションを、現状では活かしきれていない。導線の悪さとロードの遅さが相まって、ハクスラする環境が快適ではなく、直ぐに人が離れてしまうのではないかと心配だ。PS5に移行してロードが少なくなり、バグも取り除ければ、導線の悪さはギリギリ我慢出来るレベルになるはずなので、最初から次世代機で出しても良かった気がする。今のままだと、2021年にスパイダーマンが追加される頃には完全に過疎ってしまいそうなので、人を呼び戻すためにはDLCで更なるストーリーの追加も必要になりそうだ。
それでもMCUファンは買い
色々と悪い所があるが、それでもMCUファンは買いだろう。個人的には、終盤の白アイアンマン格好良すぎたのでそれだけでも買いだ。
前述の難点を差し置いても、ヒーローを操作する楽しさは保証出来る。ここまでMCUヒーローを操作できるゲームは存在しない。逆に、MCUを全然知らない人が、アクションゲーム欲しさに買った場合は厳しい評価になることは間違いない。
なお、カマラは前述の通りアベンジャーズガチファンの同人作家。もしカマラが日本人だったら、このシーンの後は自室に籠って、Pixivに”ハルク×ハルクバスター”のドぎついBL作品を投稿する腐女子になっていたよね・・・。
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