点数評価 | 75点 |
プレイ状況 | クリア トロフィー:41% |
プレイ時間 | 約6時間 |
発売日 | 2020年10月29日 |
対応機種 | Switch/PS4/ |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
ジャンル | リズムアクション ジャンルの考え方 |
日本一ソフトウェアと言えば、魔界戦記ディスガイアに代表されるようなSRPGが主力であるイメージが強い。しかしMAD RAT DEAD(マッドラットデッド)は、リズムゲームが同社の新たな主力になるのではないか?という可能性を感じさせるほどに良く出来た作品だ。リズムに合わせてボタンを押しながらアクションを繋いく操作自体はシンプルだが、何よりも世界観と楽曲が完璧にマッチしており、一気に最後まで遊んでしまう気持ち良さがある。コストパフォーマンスの悪さが目立つが、追加で2種類のサントラを購入してしまうほどに魅力的な曲が揃っている。
音ゲー×別ジャンルというとクリプト・オブ・ネクロダンサーが有名だが、MAD RAT DEAD (マッド・ラット・デッド)は音楽ゲー×横スクロールアクションを融合させた、新感覚リズムアクションゲームである。
人間の実験台として死んでしまった主人公(ネズミ)が、ネズミの神様に時間を巻き戻す能力を与えられ生き返り、自分の心臓(ハート)と共に人間に復讐するため、軽快なBGMにノリながら突き進むというストーリー。一体なぜネズミがそのような能力を得たのかはプレイしてのお楽しみ。
控えめに言って音楽が最高
音ゲーと別ジャンルをミックスした異種混合ゲームは、前述の通りクリプト・オブ・ネクロダンサーという名作が存在している。あちらはゲーム性,音楽共に高く評価されており、ケイデンス・オブ・ハイラルの様なニンテンドーと公式にコラボしたスピンオフ作品まで発売されている。
そのため、音ゲーに何かをミックスするという似たような試みをするとなると、ゲーム面はジャンルの異なる横スクロールアクションなので問題ないにしても、音楽面のハードルが必然的に高くなる。筆者はマッド・ラット・デッドの発売前に本作の作曲陣を調べたが、残念ながら(筆者の知識程度では)知らない人ばかりだったので、ひとまず様子見ということでサントラ付きの限定版ではなく通常版を購入した。しかし実際にゲームをプレイしてみると、その判断は誤りだったと直ぐに気付かされた。
どの曲もストーリーやステージに完全にマッチしており、最初の3ステージぐらいをプレイした段階で、限定版を買えば良かったと後悔するレベルの名曲揃いだ。
音楽にノッて見事S+ランククリアが出来た時の興奮はプライスレス。シンプル操作のアクションと音楽の良さが相まってテンション上がりまくる。コンボ数が300位になってくると、無意識のうちに足でリズム取り出してしまうぐらいに気持ち良くなってくる。プレイしないと伝わらない、音楽とアクションのマリアージュと言える。
箸休め的な曲など存在せず全曲がエース級。PVで流れている曲が気に入ったのであれば即購入して問題ないだろう。
ちなみに、限定版を買い逃したとしても、サントラ単体が公式通販サイトで発売されているので安心して欲しい。
アクションパートは初見殺しが多いがやり直しが容易
マッド・ラット・デッド、流れて来るノーツにタイミングを合わせてボタンを押せば、主人公のネズミが軽快にダッシュやジャンプをするアクションゲームである。
基本操作は以下の通りだ。
- ノーツに合わせて〇:ダッシュ(2段まで)
- ノーツに合わせて✕:ジャンプ(2段まで)
- ノーツに合わせて☐:急降下
- ノーツに合わせて△:タメ(次のダッシュ距離延長)
- ジャンプ中に敵の近くで✕:ホーミング攻撃
ゲーム内の操作説明では、
ホーミング攻撃後に2段ジャンプすると、次はホーミング出来ない。
という重要な説明が何故か欠落している。
そのため、“ホーミング後はジャンプ⇒ダッシュと操作すれば次もホーミングする”という仕様にだけ注意すれば、後は4つのボタンをノーツ(音ゲーで流れてくる奴)に合わせて押すだけなので特に操作で悩むことは無いだろう。ゲームを進めるとステージにボスが登場することがあるが、ボス戦でも上記の5つの以外の操作を求められることは無い。最初から最後まで操作はシンプルなので、普段はアクションゲームを嗜まないゲーマーでも楽しめるだろう。
敵に接触したり、足場から落下するとネズミが死んでしまうが、ハート型の時計が現れて時間を戻して直ぐにリスタートすることが可能。
全編を通して初見殺しなギミックがやや多めだが、リスタートが早いので失敗しても苦にならない。どちらかというと、アクションでミスすることよりも、ノッていた音楽をストップされる事の方がストレスである。まずは死んでステージ構成や回避必須のギミックを覚えて、再挑戦ではコンボを繋げて気持ち良く高ランク評価(S+)を目指し、更には高難易度モードに挑戦するという流れのゲームだと認識した方が良いだろう。
ちなみに、マッド・ラット・デッドにはCERO “C”が採用されている 。
何故音ゲーでCERO “C”?と不思議に感じるかもしれないが、一部の表現がグロいのだ。(主にボス)
実は超低予算で作られたアイデアゲーム
MAD RAT DEADのインストール情報を見てみると、その容量は僅かに1.2GBしかない。容量が多い=良いゲーム という訳ではないが、基本的には大作に成れば成るほど容量は増えていくため、要領からはスケールの小さいゲームであることが分かる。
また、クリア後のスタッフロールを見ても、開発メンバーは最低限の少人数であることが分かる。アイデアと音楽を最大限に活かした、低工数ながらも良質なゲームを産み出したお手本と言えるだろう。しかし、裏を返せばこの容量(プロジェクト規模)のゲームで割引前価格7678円(PS4版)は強気過ぎる。
音ゲーをあまりプレイしない筆者でもクリアまで約6時間程度のボリュームなので、残念ながらコストパフォーマンスは悪いと言えるだろう。ゲームの評価はクオリティだけで決める訳にはいかないので、コストパフォーマンスの悪さが足を引っ張って★4の75点という結果だ。これがインディーゲームとしてDL版2500円、パッケージ版(サントラ付き)4000円とかで売られていれば、文句無しで★5の100点だった。
日本一ソフトウェアと言えば、上場企業で構成される、年収低さワーストランキングの常連の企業である。マッドラットデッドのような斬新なアイデアのゲームを作れる開発陣が薄給で働かされているのは実に残念。最近はインディーゲームの土壌も固まってきているので、開発陣は独立してインディーゲームクリエイターになることをオススメしたい。
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