点数評価 | 75点 |
プレイ状況 | ノーマルでクリア トロフィー62% |
プレイ時間 | 約14時間 |
発売日 | 2019年10月24日 |
対応機種 | Switch/PS4/Xbox one/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | DICO/ArtPlay |
発売元 | 505 Games |
ジャンル | 横スクロール探索型アクションRPG ジャンルの考え方 |
当レビューを投稿した時点における探索型アクション界隈は、キャラクターの動きがスタイリッシュになり、アクションのスピードが早いものが主流となっている。ブラッドステインドはそのような主流とは外れた、どこか懐かしさを感じる昔ながらのアクションゲームだ。動作速度で好みは分かれるかもしれないが、装備やシャードを臨機応変に切り替えて戦うアクションシーンは堅実な作りで、最初から最後まで面白い。グラフィックの悪さが目に付くが、アクションゲームとしては十分に合格点である。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Bloodstained Ritual of the Night(ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイト)は、悪魔城ドラキュラシリーズの開発者である五十嵐孝司が、コナミを退社後に設立した株式会社ArtPlayにて、クラウドファンディングで調達した資金で開発した、サイドビュー視点探索型アクションゲームだ。悪魔城ドラキュラの新作を熱望していたファンには大いに受け、高い評価を獲得している。そして、2021年2月分PlayStation Plusフリープレイに登場。
この手のゲームジャンルの頂点には、インディーゲームながらサイドビュー視点探索型アクションゲームの完成形とも言えるHollow Knight (ホロウナイト)が君臨しており、どうしても比べられてしまう運命にある。
新しい能力を手に入れると、徐々に探索可能範囲が広がっていきその先で更に新しい発見があるという楽しみ方は、BloodstainedもHollow Knightも同じだが、操作感は目指しているものが全く異なる。前評判の高さから過度に期待してプレイした結果、“面白くない”と感じるプレイヤーも多いだろうが、Bloodstainedはあくまで、悪魔城ドラキュラシリーズのファンに向けて作られた作品であることを理解しておきたい。
セットした装備パターンを切り替えながらの戦いが楽しい
Bloodstainedをプレイして、まず最初に感じることは“古臭い”である。操作キャラクターであるミリアムの動きは遅く、ジャンプしてもさほど高くは飛ばない。Hollow Knightのような、移動速度が比較的早くサクサク進むことができるアクションゲームに慣れていると、もどかしさを感じることは間違いないだろう。また、やや不便なUI,管理しにくい錬金システム,無駄に歩かせるNPCの配置,古臭い会話のセンスなどから、懐古的と言えばまだ好意的な表現なのだが、本作からは作り手の若さ・フレッシュさが感じられない。
また、本作は探索型アクションゲームながら、一般的なJRPGのように武器,防具,アクセサリー,シャード(悪魔から奪うスキルのようなもの)といった装備品の数が多い。付け替えの頻度も高いので、JRPGのように準備パートにもそれなりに時間を割かれる。このように、Bloodstainedは懐古的な作品(恐らく意図して作られている)なので、序盤をプレイして合わないと思った場合は、無理してプレイせずに離脱した方が無難である。
多少の動きの遅さは我慢でき、敵やステージに合わせて準備することが苦でない場合はプレイしても問題ないだろう。幾つかの装備パターンを用意しておき、状況に応じてショートカットでパターンを切り替えながら臨機応変に対応する戦闘を楽しめるはずだ。
武器は種類によってモーションが全く違うので、隙だらけだが大きな一撃を放ってくるような敵を相手にするのであれば、こちらは攻撃力は低いが攻撃速度が早い短剣を選ぶ。一撃離脱の戦法が有効な敵がを相手にするのであれば、威力が高い斧に切り替えるなど、状況を見極めて対応すれば有利に攻略を進めることが出来る。序盤は武器種だけ最適にしていれば何となるが、ストーリーが進むにつれて各種属性の耐性やシェードの選択も重要になってくるので、しっかりと考えた対策が嵌って強敵を撃破出来た際の喜びはひとしおだ。
如何にも屈強なドラゴンが前から迫り、直ぐ後ろは壁で逃げ場も少ない。しかし、ここではドラゴンと壁に狭い範囲で挟まれているという状況を逆に利用可能する。冷静に“サモン・プルメパルマ”をセットした装備に変更し、ぶつかると反射する空飛ぶ豚を大量に召喚。狭い範囲で何度もドラゴンに接触ダメージを与えて楽々クリアしている。
距離を取って逃げる敵には、特殊な飛翔剣でこちらも安全な距離から攻撃する。MP消費が少な目で攻撃範囲が広い“サモン・バット”も織り交ぜて攻めることで、徹底して中距離を維持して被ダメージを防ぐ戦い方だ。
例に挙げた動画のように、状況に合わせて最適な武具とシェードを選択できれば、厄介なボスでも難易度が一気に下がり撃破が容易になる。なお、ボス戦以外の道中でも切り替えは重要だ。被弾しがちな狭い洞窟では、ミリアムの周囲を守るようにポスターガイストが回り続ける“グレイトフルアシスト”を使ったり、動きが素早い敵が多いのであれば、射程内に必中の雷を放つ“テプス・オシウス”を使うなど、状況に最適な組み合わせが必ず存在するので、ゴリ押しせずに考えを巡らすのも楽しみ方の一つだ。
何を使うか迷った際には、氷塊を頭上から落とす“ヴァ・スキア”が活躍すると覚えておくと良いだろう。発生位置が分かり易く、発生途中も発生後も多段にヒットして使い易い。
UIの作り込みが甘く装備セットの準備は少々面倒だが、そのリターンとして作戦がハマったという達成感が得られる仕組みである。中盤以降は状況に上手くハマっていない装備で戦うと、強敵に歯が立たずこちらが倒されることも多い。そして、最近のゲームにしては珍しく、ゲームオーバーになるとセーブしていない進行状況が全て無に変える。救済無しの巻き戻しなので、小まめなセーブが重要であることを忘れないようにしたい。
懐古的な中にも、現代的な要素を取り入れている
Bloodstainedは古臭いゲームだが、しっかりと現代的な要素を取り入れている。
- シェードの強化:
悪魔を倒すことで手に入るシェードは、素材を使って発射数や持続時間などの性能を強化可能。同じシェードでも複数個持つことで威力もアップ。(育成要素) - 装備品や食べ物の作成:
宝箱から入手したり、敵がドロップするアイテムを素材に、様々な武具や食料を作成可能。(素材集め要素) - 主人公の見た目変更:
一部の装備は見た目が変化。髪色や髪型を変更可能。(ドレスアップ要素)
シェードは性能強化以外にも、同じシェードを複数所持することで攻撃力に倍率補正が掛かっていく。最近のソシャゲ風に言うと、“凸って性能アップ”のようなものである。最大9凸まであり、攻撃力を最大まで高めるとなると中々に骨が折れる仕様だ。恐らく最高難易度をプレイする場合には、このような育成要素も必要になるだろう。
完凸はやり込み要素。クリアするだけなら必要無い。
装備品は店から購入する事も可能なだが、非常に高価なので素材から錬成する事が多い。ダンジョン内で錬成のレシピを見つけることで、錬成アイテムが順次が解放されていく。単純に素材から錬成するだけの物もあれば、錬成した武器を素材に使って更に上位武器を錬成したり、複数の武器を素材に新しい武器が錬成出来たりと少々複雑だ。ツリー方式で派生の到達点が見えている訳ではないので、不要になった武器を売ったら後で素材に必要になることもあり不親切な所もあるが、素材からの錬成はどんなゲームでも期待に胸が膨らむ良いものだ。
また、装備品と同様に、食べ物もレシピを見つけることで素材を消費して調理可能になる。ブラッドステインドは店売りの回復ポーションが高価なので、回復アイテムとしても料理は重要。料理を食べると初回に限り、HPや攻撃力などのステータスが永続的にアップするため、キャラクター育成要素も兼ねている。
Bloodstainedのパッケージには、無数の悪魔を背景に、儚げな表情で大剣を構えるミリアムの美麗なイラストが描かれており、それに惹かれてこのゲームを買った人も多いのではないだろうか。そのようなプレイヤー達は、ゲーム開始直後に主人公ミリアムを見て、
キミ、パッケージと顔が違うよね?
と、心の中で呟いたことだろう。また、全体的にグラフィックの質が低いので、心底不安を覚えたはずである。幸いにミリアム周りだけは気合いを入れて作られており、パッケージとは顔が違うもののそれなりに可愛く仕上がっている。
そんなミリアムだが、見た目を変更可能である。手を加えることが出来るのは、頭装備,アクセサリー,髪型,各種色だけで物足りなくもあるが、変更することで大きく雰囲気を変えることができる。
変更した見た目は、会話シーンにも適用されるので、見た目をガラリを変えてしまえば新鮮だ。
一部の品質が2019年のレベルに達していないことは事実
ブラッドステインドの難点はやはりグラフィックだ。2015年から企画がスタートしているものの、その当時の3Dグラフィックのレベルと言い訳するのも厳しいぐらいに悪い。決してグラフィックでゲーム性の良し悪しが決まる訳ではないが、それでも良いに越したことは無いし、発売時の平均水準をクリアしていないのであれば、当然ながら評価のマイナスになるだろう。
また、主人公の足の遅さもどうにか改善して欲しかった。最終盤になれば高速移動が可能になり解消するが、基本的に移動は歩きよりもスライディングの方が早い。そのため、効率を求めると移動は常にスライディングになり何ともシュールだ。一昔前のゲームでは良く見た光景かもしれないが、現在の成熟したゲーム市場ではマイナスだろう。
グラフィックと移動の遅さが大きな欠点であり、評価を下げる理由になっているが、新しいスキルを入手する度に探索エリアが広がっていく探索型の面白さは確かなもの。また、主人公の動きは遅いものの、それを基準にしっかりとレベルデザインされた戦闘は最初から最後まで面白い。
ブタ召喚が少々強すぎるけど全体的なバランスは良い。
探索型が好きで、戦闘では手持ち装備の組み合わせから自分なりの最適解を見つける事が好きな人はプレイして損は無い良作である。フリープレイでライブラリーに追加しているのであれば、まずは遊んでみることを推奨する。
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