【Dead Cells】レビュー 新ジャンル「ローグヴァニア」を提唱するだけあり高いレベルで仕上がった作品だが、プレイしていて疲れる – デッドセル

点数評価75点
プレイ状況ノーマルエンドまで
実績:330/1000
プレイ時間約5時間
発売日2018年8月7日
対応機種Switch/PS4/Steam
Xbox (Gamepass)
プレイ機種Xbox Series X
開発元Motion Twin
発売元Motion Twin
ジャンルローグヴァニア
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

ローグヴァニアという新ジャンルを自ら提唱するだけあり、非常に出来の良い作品。次々と襲い掛かって来るモンスター相手に、武器とスキルを駆使して立ち回り、連続攻撃とキャンセル回避を使い分けながら無傷で切り抜けられた時の達成感は最高である。ローグライクとしてのキャラクタービルドも及第点であり総合的には満足度は高い。しかし、探索型ゲームとしての側面を持ち合わせているため、毎回広いステージを走り回る必要があり、図面集めの大変さも相まって、個人的にはやや面倒臭さと疲労感が強かった。シンプルにローグライクアクションだけで良かった気もする。

総合評価
 (4)
革新性
 (4)
ユーザビリティ
 (4)
ビジュアル
 (3.5)
サウンド
 (2.5)
プレイ継続性
 (4)
コストパフォーマンス
 (4)

Dead Cells(デッド セル)は2018年8月7日に発売されたゲームであり、当レビューを投稿した2021年12月から3年4か月ほど前の作品である。しかし、3年以上経ってからも『ホロウナイト』や『Skul: The Hero Slayer』などとコラボしたり、2022年第1四半期には有料DLCにて新たなボスやエンディングを追加するアップデートも予定されている。また、売上も非常に好評で、前述のDLCが発表された2021年12月1日時点で、売り上げは600万本を超える大ヒットとなっている。

メトロイドや悪魔城のような探索型2Dアクションである所謂メトロイドヴァニアと、倒されると全ロストのローグライクを融合させた新ジャンルのゲームであり、ローグヴァニアを自称している。Dead Cellsは新ジャンル“ローグヴァニア”の始祖であることから、古いゲームではあるもののローグライク好きとしては触れておくべきだと判断した。幸いにもXboxGamePassに対応していたため追加費用無しで遊べた。

新ジャンル、『ローグヴァニア』とは何なのか

Dead Cellsが提唱したローグヴァニアとは、前述の通りローグライク要素を取り入れた探索型ゲームのことである。早速Wikipediaでローグヴァニアを検索したところ、2021年12月1日時点で同ジャンルを自称するゲームはDead Cells以外に、2022年に発売予定の、ファミコン『月風魔伝』をベースに再構築した、『Getsu Fuma Den: Undying Moon』しか確認できなかった。

ゲームのジャンルは、ゲームの複雑化と共に細分化が進んでいるが、ジャンルその物をどこかの組織や団体が定義・管理している訳でも無い。従って、乱立するジャンルに対しては、

自称するジャンル

×

ジャンルや属性のタグ付け
(複数分類可能)

で、自由に表現するしかない状態である。今回レビューするDead Cellsであれば、以下の通りに表現するべきだろう。

自称:ローグヴァニア

×

タグ:2DAct,探索型,ローグライク

探し回ればローグヴァニアに該当するゲームは他にも存在するかも知れないが、ジャンルは自称するものなのでプレイヤー側からは調べ難い。

とりあえず、今までプレイしたローグライクゲームをざっと振り返ってみると、一つ思い当たる節のあるゲームがあった。それは2021年4月にPS5で発売されたReturnalである。

Dead CellsとReturnalでは、2Dと3Dでゲームの見た目は全く違えど、幾つかのパターンから組み合わさる道と部屋に、一部の固定エリアが連なって構成されるというゲームステージの作りは同じだ。また、ゲームが進行するにつれて移動系のスキル(Dead Cellsであればルーン)を手に入れて行動可能範囲が広がっていくという、探索型ゲームの基本要素をどちらのゲームも抑えている。そして、倒されれば全ロストして最初からやり直しとなるが、新しい武器のアンロックや恒久的バフも用意されているというローグライクのシステムも共通している。Returnalはローグヴァニアこそ自称していないが、同ジャンルには該当すると言えるだろう。

Dead Cells 戦闘シーン
DeadCellsはやや横長の部屋が連続する傾向。
Dead Cells 全体マップ
全体のマップ。自由に使えるワープポイントは多く用意されている。
Dead Cells 蔦を生やすルーン
最初は地面にツタを生やして高台に登るルーンが手に入る。

2018年に登場した新ジャンル“ローグヴァニア”は、今のところは余り浸透していないように見えるが、今後はジワジワと広がって行くのかもしれない。ゲームジャンルの始祖なので、ゲーマーとしての見聞を広げるために、ローグライクや探索型に興味が無くてもプレイしてみるのも良いだろう。

Sara
Sara

ゲームのジャンルは宣言したもの勝ちなので、隠れローグヴァニアが結構居るかもしれない。

なお、ゲームジャンルに関する話題は別の記事に詳しく書いてあるので、興味がある方は見てもらいたい。

ローグライクと図面システムはミスマッチか?

Dead Cellsでは、ローグライクでお馴染みの恒久的なバフとして、セルというアイテムを消費することで、新しい武器やスキルをアンロックしたり、回復アイテムの使用回数を増やすことができる。また、初期装備の選択肢を広げることも可能だ。

一般的なローグライクでは、この手のアンロックに必要なアイテムは入手方法が限定的だが、倒されても次の周回に持ち越され、拠点などで消費できるという仕様が多い。しかし、Dead Cellsでは全く逆である。どのようなザコ敵でもこのセルをドロップするので入手は容易だが、倒されるとその時点で持っていたセルは全て失ってしまう。その代わりに、スタート地点に戻らずとも、ステージの区切り毎に現れる収集者というNPCにセルを渡すことでアンロックを進めることができる。セルがアンロックに必要な数に到達していなくても、好きな数だけセルを渡すことができるので、次回のプレイではセルのカウント数を引き継ぐことができる。

Dead Cells パーマバフのアンロック
好きな能力や武器を自分で選んでアンロックしていく。
Dead Cells アンロックした武器の展示
アンロックしたアイテムはスタート地点で確認可能。空の瓶はまだアンロックされていない物を示す。

ただし、武器やスキルをアンロックするには、セルを貯めるだけでは無く、敵が稀にドロップする図面を入手しなければならない。探索型でルート分岐も多く、難易度も高めなので、色々なルートを試してゲームオーバーを繰り返しながら、地道に図面を集めろということなのだろうが、このシステムには賛否両論がありそうに感じる。

Dead Cells 発見した図面
図面は敵がランダムにドロップする。

本作の各種アンロック要素は、図面ドロップとセル収集の2段構えなので、どうしてもプレイ時間に対してビルドの幅が広がりが遅い。個人的にはローグライクの醍醐味の一つはアイテムとの一期一会であると考えており、「お、序盤で〇〇拾えた!ラッキー!」という喜びが欲しい。武器にはレアリティが設定されているので、同じ武器でも超強力な物が手に入ることはあるが、やはりユニークな武器を偶然手に入れた方がテンションが上がる。

筆者の場合はノーマルクリアまで約5時間、7回のリトライだったが、結局クリア時に使っていた武器は、最初からアンロックされていた“精巧な剣”だった。レアリティが高いものを拾えたので、初期武器とはいえ強力だったが、クリア時の武器としては少々物足りなさを感じた。スキルに関しては殆どアンロックが進まず、毎回見たことがあるスキルが出現したため、初回クリアではビルドを考えるという域まで達しなかったことも残念だ。

恐らくDead Cellsは、黙々とドロップを狙って繰り返して戦い、地道にセルを貯めることに楽しさを見出せる人に向いているのだろう。

高難易度のローグヴァニアは疲れる

傑作と呼ばれるローグライクゲームは一通り触れておきたいという思いからDeadCellsをプレイしたが、筆者はノーマルエンディング以降を遊ぶつもりは無い。理由は、とにかく疲れるからだ。

Dead Cellsは戦闘の瞬間だけを切り取って見ると、アクションゲームとしては非常に優秀だ。2種類の装備と2種類のスキルを使い分ける戦闘は、(アンロックさえ進めば)ビルドの幅も広いので、ランダムに付与された効果を見ながら、自分の好みの戦法に寄せていくのも考え甲斐があって面白い。特に近接武器は、チェインというモーションが変化する連続攻撃が主体となっており、連続する途中でもローリング回避でキャンセル可能なので、大量の敵を相手に大立ち回りするような激しい戦闘を楽しむことが出来る。

Dead Cells 武器の選択
連続攻撃をしながら回避・パリィを使い分け、更にボムを投げ込むなど多彩な立ち回りが楽しい。

ただし、Dead Cellsは探索型ゲームとしての側面も持ち合わせているため、プレイエリアはそれなりに広い。一部の固定エリアがあるものの、広いエリアがランダム生成されるので探索は骨が折れる。しかも、ザコ敵と言えども序盤から強めな上に、ステージ内に100体以上配置されていることも多い。緩急付けて難所が訪れるならまだしも、8割ぐらいは“急”に相当する難しさである。しかも、1回クリアした時点で底無しなゲームの奥深さが見えるので、クリア後も“急”を味わい続けようとは思わなかった。

Dead Cells 多くのザコ敵
序盤から敵の数が多くて気が抜けない。

ザコ敵を無視して進めばいいと考えるかもしれないが、図面システムがあるためドロップするまでは無視する訳にはいかない。図面を敵がドロップしたとしても、そのステージをクリア出来なければ、図面は失われてしまう。そのため、ザコ敵からの思わぬ被弾に備えて最大HPと攻撃力を上げるアイテムをコマ目に入手してキャラクター強化に努める必要があるのだが、強化アイテムはステージの至る所に点在しているため、探索する時間を省略することも難しい。加えて、ステージ構成はランダム生成とはいえ似たような構造が多く、一度クリアしたステージには新鮮味を感じない。

つまり、DeadCellsは、高難易度による緊張感を、新鮮味がないステージで、長時間繰り返すゲームだ。幾ら瞬間的なアクションが面白くても、疲労感の方が勝って来るはずである。

以上のように、筆者個人としてはDeadCellsのアクションそのものは気に入っているが、図面のシステムと探索型としてのステージ構造の組み合わせが好きにならなかった。

コツコツと周回を重ねてドロップアイテムを集めるような繰り返し作業を苦にせず、きびきびと動く2Dアクションが好きな人にはオススメしたい。コラボやDLCが活発なのには理由があり、それはDeadCellsの出来が良いことに他ならない。従って、ハマる人はトコトン嵌るゲームのはずだ。

Dead Cells ホロウナイトとのコラボアイテム
コラボ武器は特徴を捉えており好印象。
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