点数評価 | 80点 |
プレイ状況 | ノーマルでクリア |
プレイ時間 | 約17時間 |
発売日 | 2022年3月31日 |
対応機種 | PS4/Xbox (Gamepass)/Steam |
プレイ機種 | Xbox Series X |
開発元 | WolfEye Studios |
発売元 | Devolver Digital |
ジャンル | アクションRPG ジャンルの考え方 |
高評価で自由度の高いゲームは軒並みオープンワールドなので手を出し辛いという人には、Weird West (ウィアード ウェスト)をオススメしたい。Weird Westは、Fallout4のように自由度の高いメインクエストや、ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドのように環境を活かした戦闘をどっぷりとではなく、手頃なボリュームで遊べるイマーシブ・シムゲームである。ダークファンタジーと西部劇が融合した異質な世界観や、絶妙に西部劇を連想させる効果音も良い。トップダウンビューのツインスティックシューターなので、実際にプレイしないとイメージを掴み難いかもしれないが、Xboxを持っていればまずはゲームパスで触れてみよう。
違和感を覚えない独特の世界観
Weird West (ウィアード ウェスト)は、ダークファンタジー要素がミックスされた開拓時代の西部を舞台に、 とある目的のためにオムニバス形式で5人の過酷な運命を体験し、物語の真相に迫って行く作品である。
世界観が違和感なく構築されていることは、面白いゲームの条件の一つだ。Weird West (ウィアード ウェスト)は、ダークファンタジー×西部劇という異色の組み合わせだが、実に説得力のある独特な世界観が構築されている。
違和感のある・説得力の無い世界観の代表例は、終末世界なのに妙に小奇麗で完璧なインフラが維持されているような、和ゲーのアレ。
Weird Westの舞台は、揉め事が在れば大通りで銃の決闘が行われ、金さえ積めば平気で汚れ仕事を引き受けるようなゴロツキがウヨウヨしている一方で、正義感の強い保安官が町を厳しくパトロールしている西部開拓時代だ。一方で、人間社会には人間に化け・捕食するセイレーンという怪物が潜み、町の外では脳を豚に移植された哀れなピッグマンが徘徊し、夜になると幽鬼やゾンビが出没する。更には怪しげな魔術集団まで存在し、実に奇妙な(Weirdな)世界となっている。
法は在れど遵守はされず、銃の腕前が物を言う人命軽視な西部開拓時代は、元々が荒れ気味なダーティな世界だ。そのため、実はダークファンタジーとは相性が良かったのだろう。Weird Westをプレイして真っ先に感じたことは、“西部時代には異形を闊歩させたり、魔術を少々追加しても問題なく馴染む”という事実への驚きである。
そんな荒廃した世界で、プレイヤーはある目的のために5人の過酷な運命をオムニバス形式でロールプレイすることになる。復讐に燃える女ガンマン、何故か正気を保ったピッグマン、ある霊を追う原住民、人狼軍団の一員、未来のビジョンを追い続ける夢幻士(魔術師のようなもの)という、全く異なる立場のキャラクター達が各々に押された“烙印”の謎に迫って行くのだが、その展開は没入型シミュレーションとなっている。
善と悪の判断やストーリーの進め方はプレイヤー次第
Weird Westは大ジャンルこそアクションRPGに分類されているが、公式では“『Dishonored』と『Prey』の共同制作陣が開発した没入型シミュレーション”を謳っている。没入型シミュレーション、いわゆるイマーシブ・シム(Immersive Sim)は、それほど馴染み深い言葉ではなく、ゲームの分類でも小ジャンルあるいはタグ付けに使われる程度なので目にする機会は少ないだろう。簡単に説明すれば、イマーシブ・シムとは『プレイヤーの選択が尊重される』あるいは『攻略方法に正解が用意されていない(無数にある)』ようなゲームのことである。
『プレイヤーの選択が尊重される』の最たるものは、会話時の選択肢の結果だ。“いいえ”を選んでも“はい”を選ぶまでループを抜けられなかったり、何を選んでも結末がさほど変わらないような一本道では無く、選択肢によって全く異なる結果が訪れるものがイマーシブ・シムだ。
時には大勢には影響を及ぼさないが、判断に苦しむ選択肢も出現する。例えば、とある保安官の正体が人喰いセイレーンだと知ってしまう展開がある。問いただしたところ、『捕まえた罪深い賞金首しか喰っていないので見逃して欲しい』と懇願され、その命運はプレイヤーに委ねられる。
普段の人間をしているときの保安官は勤勉で間違いなく信頼に足るのだが、セイレーンの被害は深刻で感情的には絶滅させたい存在だ。しかし見方を変えれば、このセイレーンを始末すれば賞金首を捕まえる人員が減ることになる。果たしてそれは世界にとって良いことなのか?という葛藤を抱える展開もある。
また、会話の選択だけでは無く、メインクエストの辿り方もプレイヤーに委ねられている。ゲームは地図上のマップと実際のプレイフィールドで構成されており、地図に示された黄色いアイコンがメインクエスト、青色がサブクエスト、オレンジ色が賞金首となっている。踏破していないエリアは黒い霧に覆われているが、移動制限は無くいつでも自由に地図を埋めることができる。そのため、順序良くメインクエストを進めなくとも、適当に歩き回ってキーアイテムを先に見つけてしまっても良い。
時には偶然知り得た情報から、早期にチャプターの黒幕を知ってしまうこともある。そんな時はメインクエストなど無視して、チャプターの序盤から黒幕を始末することも可能だ。一部のNPCだけは無敵設定されているが、基本的には重要人物であろうと問答無用で殺害可能であり、それによってゲームが進行不能になることもない。
イベント進行についてはFallout4やサイバーパンク2077をイメージすると分かり易いだろう。
メインクエストのクリア手順はプレイヤーに委ねられているため、プレイスタイルによってクリアまでの所要時間は大きく変わる。実際に筆者の場合、チャプター1ではサイドクエストも適度に追ったので約7時間かかったが、チャプター4では偶然知った情報から重要人物を即始末したために僅か2時間でクリアとなった。全部で5チャプター用意されているので、色々な遊び方を試してみると良いだろう。
なお、チャプタークリア時には、達成したメインクエストや、重大な場面での選択がリザルトとして表示される。2周目では意識して別の選択肢を選んで、異なるストーリー展開を楽しみたい。
選択肢やメインクエストの進行以外にも、町中での振る舞いもプレイヤーに委ねられている。例えば店で買い物をするのであれば、チェストや倒した敵から大量のガラクタを収集し、それらを店に売却することで金を稼ぐことになる。もしくは、賞金首を倒すクエストを受注して、懸賞金で一気に稼ぐこともできる。
しかし、稼ぐとは言っても、ガラクタ集めでは途方もない時間がかかり、懸賞金を得るには移動と戦闘を繰り返す必要があり何かと面倒だ。しかしこのゲームはイマーシブ・シムなので何も正当な手段で購入する必要は無い。深夜に人が寝静まってから、ピッキングツールでドアを開け店内を物色すれば良いし、ピッキングツールを買う金さえ惜しむのであれば、樽で足場を作って屋根に上、煙突からロープで屋内に侵入しても良い。更に強引に行くのであれば、罪なき店主を倒してカギを奪ってしまうのも良いだろう。
このような悪行に手を染めて捕まった場合、プレイヤーは一時的には投獄されてしまうが、保釈金を払うか日数経過で釈放される。そのため基本的にはやりたい放題だ。前述の店のカギの件であれば、保釈後に夜になってから堂々と忍び込めばいいし、カギは一度手に入れてしまえば何度でも使えるので、品物が補充される度にノーリスクで全商品を盗めるようになる。
ちなみに、窃盗や不法侵入の場面を見つかると信頼度が下がって行き、仲間の加入が出来なくなるなどのデメリットが発生する。そして、村人に発砲しようものなら重犯罪として町人全員から追われることになる。ただし、クイックセーブ&クイックロードが用意されているので、それらを駆使しながらやり過ごそう。
このように、Weird Westは遊び方の自由度が非常に高く、分岐内容も豊富なのでプレイヤーによって全く異なった体験ができるだろう。
戦闘は“やや”自由度の高いツインスティックシューター
アクションRPGであるWeird Westのアクション部分には、ツインスティックシューターが採用されており、戦闘面でもイベント進行と同様に自由度が高く設定されている。
ただし、舞台は西部開拓時代なので遠距離武器は豊富では無い。拳銃、ショットガン、ライフル、弓+近接武器の5種類と僅かなバリエーションしか無く、アンダーバレル的なアタッチメントも存在しない。そのため、ツインスティックシューターとしては比較的シンプルである。その代わりにファンタジー的な要素として、弾に雷ダメージを乗せたり、自身を透明化する、敵の攻撃を吸収するなどのアビリティが用意されている。
武器関連のアビリティは全主人公が共通となっており、キャラクター毎に3つか4つの固有アビリティも用意されている。アビリティはニンフの骨というアイテムを使えば習得でき、主人公が変われば最初から習得し直しとなる。
また、黄金のスペードのエースというアイテムを入手すると、移動速度や体力などのバフ効果を得ることが出来、チャプターが進んで主人公が変わっても引き継がれる。
Weird Westでは、最大で仲間を二人連れて自分と合わせて三人で戦えるものの、敵の人数の方が圧倒的に多い状況が殆どであるため、正面突破を仕掛けても多勢に無勢で返り討ちにされることが多い。勿論、回復アイテムを頻繁に使いながら強引に突破することも出来るが、イマーシブ・シムゲームでそのやり方はスマートではないので推奨しない。
茂みをステルス移動して敵を気絶させていく、敢えて見つかって草むらにおびき寄せて火を付けて一網打尽にする、壁の切れ目からダイナマイトを投げ込んで安全に倒すなど、色々と工夫して倒し方を楽しみたい。
なお、アクション面でのイマーシブ・シムの自由度の高さは、ヒットマンシリーズやゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドなどが有名だ。Weird Westは前者のように手段を楽しむことに特化したゲームではなく、後者のように自由度の高いオープンワールドでもなく、エリア制のトップダウンビューのツインスティックシューターである。従って、そこまで凝った戦い方が出来る訳では無く、“多少は”工夫して状況を有利に進めることが出来るというイメージだ。広大過ぎないからこそ、遊びやすいという良い例だろう。
以上のように、Weird Westはイマーシブ・シムの面白さを、比較的小規模なスケールで楽しむことが出来るゲームである。イマーシブ・シムは自由度が高く面白そうに感じるが、オープンワールドはボリュームがあり過ぎて敬遠するという人には、Weird Westが遊びやすいのでオススメしたい。
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