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【バイオハザード RE:バース】レビュー: 延期した1年3ヶ月の間に何をしていたのか理解に苦しむ

点数評価
プレイ状況オンラインマッチ10回程度
トロフィー:63%
プレイ時間約2.5時間
発売日2022年10月28日
対応機種PS4/Xbox One/Steam
プレイ機種PS5
開発元NeoBards Entertainment
発売元カプコン
ジャンルサバイバル・リベンジバトル
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

四半世紀もシリーズを重ねてきたゲームの記念タイトルで手を抜く理由は何だろうか。バイオハザード RE:バース (リバース) は、バイオハザードヴィレッジ購入者向けのオマケとは言え、25周年を記念して製作されたと宣伝されていたうえに、クオリティ向上のために1年3ヶ月も延期していた。にもかかわらず、何となくお祭り感は演出できているものの、対戦ゲームとしては薄っぺらく、実につまらない作品だ。何を目指していたのか良く分からない。

総合評価
 (2)
革新性
 (3.5)
ユーザビリティ
 (3.5)
ビジュアル
 (4)
サウンド
 (1)
プレイ継続性
 (1)
コストパフォーマンス
 (5)

バイオハザード RE:バース(リバース)は、バイオハザードシリーズでお馴染みのキャラクター達が一堂に集結し、TPSで戦いつつもクリーチャーに変身して大乱闘ができる対戦ゲーム。バイオハザード ヴィレッジに同梱されているダウンロードコードを入力することで無償入手することが出来る。公式サイトの記載を見る限りでは、後から単体版の発売も計画されているようである。

1年3ヶ月の間、一体何をしていたのか?

バイオハザード RE:バースは2021年7月16日、プレイ品質向上のためにサービス開始を2022年に延期している。ナンバリングは既に8に到達し、派生作品も多数発売されたバイオハザードシリーズの25周年を記念したオールスターゲームということもあり、そのリリースを待ちわびていたファンも多いことだろう。

このサービス開始延期のお知らせは、“クオリティを犠牲にするぐらいであれば、25周年を逃したとしても延期する”という決意の現れとして、概ね好意的に捉えられていたはずだ。そして約1年3ヶ月もの延期を経て、2022年10月28日にリリースとなった(10月24日~26日でアーリーアクセス)訳だが、対戦ゲームとしてあまりに底が浅く絶句するような内容だった。

仕様だけを見るとお祭り感あり

キルストリークとリベンジが重要なデスマッチ

ゲームはまず全プレイヤーが人間(サバイバー)の状態スタートし、ライバルに倒されるとステージ内で取得したウイルスの数に応じたクリーチャーにその場で変身する。変身後は一定時間の無敵を伴って対戦を再開でき、クリーチャーの状態で倒されるとランダムな位置に再び人間としてリスポーンする。ゲームジャンルが“サバイバル・リベンジバトル”となっていることから分かるように、人間でやられたらクリーチャー変身してやりかえすという、少々狂った設定がこのゲームの最大のウリである。

バイオハザード RE:バース 置かれたウイルス
フィールド上のウイルス確保が最優先。

倒されるとクリーチャーに変身するという点を除けば、比較的シンプルな点数制のデスマッチであり、自身が倒されること無くキルを重ねることで点数が大きくなる、いわゆるキルストリーク(キルコンボ)ボーナスに重きが置かれている。

倒されてキルストリークをストップされたとしても、自身を倒したライバルにリベンジ出来ればストリーク数を回収できるので、倒されたらクリーチャーになって全力で追いかけることがプレイの基本である。

バイオハザード RE:バース 壁越しの視認
クリーチャーは遮蔽越しにライバルを感知できる。

サバイバーとクリーチャーの特性を使い分ける

サバイバーとクリーチャーには性能差があるため、サバイバーの状態でライバルをキルした方が点数が高くなるように設定されている。一方で、キルの点数が低くなるクリーチャー状態であっても、特定の固有スキルを使用してトドメを指すことで、特殊演出が発動して点数ボーナスを得ることが出来る。デスマッチに勝利するには、敵の連続キルを阻止したり、キル1位を倒すことでもボーナスを得ることも重要となる。

バイオハザード RE:バース 人間状態での戦闘
距離を取りつつ、出来る限り人間の状態でキル数を稼ぎたい。
バイオハザード RE:バース ファミパンおじさんのフィニッシュ
ファミパンを筆頭に、特殊演出でフィニッシュすれば高得点。

いずれのクリーチャーも壁越しにライバルを視認でき、最低ランクのファットモールデッドであったとしても、攻撃力・足の速さ共にサバイバーを上回っているため、サバイバーはクリーチャーに正面からぶつかるとまず勝てない。ただしサバイバーも、固有スキルやフィールド上で取得できる特殊装備を駆使することで、クリーチャーを返り討ちにすることは可能だ。

バイオハザード RE:バース サバイバーの固有スキル
スキルはクールダウンがあるものの強力。
バイオハザード RE:バース 戦闘シーン
サバイバーでクリーチャーに接近を許すと逃げきれない。

大味で変化に乏しい戦闘は即飽きる

バイオハザード RE:バースは、ゲームの仕様だけを読むと、何となくお祭り感があって面白そうだ。実際には最初の数プレイは面白く感じたものの、ゲームとしては単調で即飽きてしまい、熱心に継続プレイしようという意欲は沸いてこなかった。

たった5体しか登場しないクリーチャー

まず、一番の問題は操作キャラクターの少なさだ。サバイバーが6人しか用意されていないのは許容範囲内だが、肝心のクリーチャーが僅か5体しか用意されていないことは残念でしかない。ファットモールデッド、ハンターγ、ジャック・ベイカー、ネメシス、スーパータイラントが用意されているが、ファットモールデッドはウイルスを一つも取れなかったときに変身する、殆ど自爆攻撃専用のハズレクリーチャーだ。そのため、25周年記念のお祭りゲームにもかかわらず、クリーチャーは実質4体しか機能しておらず、インパクトに欠けて残念としか言いようが無いだろう。

Sara
Sara

モールデッドにはフィニッシュ演出も用意されていない。

テクニカルな要素ゼロの乱戦と横取り

“キルストリークを取り返すリベンジが重要”、“クリーチャーは遮蔽越しにライバルを感知可能”という仕様に加えて、バトルステージはさほど広く無いので、どうしても1か所にキャラクター達が集中して乱戦になりがちだ。ファットモールデッドがいつ自爆するか怯えながら、クリーチャー達が乱戦を続ける絵面は面白いが、技術的な介入要素が無い大味な殴り合いが続くだけで面白みに欠ける。

バイオハザード RE:バース 大乱戦の様子
ストリークを取り戻すために入り乱れる化け物たち。

そして幾らダメージを与えたところで戦績に影響は無く、ファイナルブローを得たプレイヤーにしか点数が入らないため、人間状態であればひたすら逃げ回ってウイルスと特殊武器を集め、乱戦を横取りするというプレイスタイル以外は成立せず、駆け引きや立ち回りを考える楽しさも無い。

バイオハザード RE:バース 特殊武器で横取り
特殊武器を拾った状態で乱戦に出くわすと大量得点チャンス。
Sara
Sara

運良く初期位置がウイルスに近かった人が有利になりがちなのも不満。

ステージが2種類しかなく変化も乏しい

極めつけは、1年3ヶ月も延期したにもかかわらず、ステージはラクーン市警察署とベイカー邸のたった2種類しか存在しないことだ。ステージによって特徴が大きく異なり、サバイバーやクリーチャーによって向き不向きがあれば面白かったかもしれないが、どちらも狭い通路で乱戦&横取りするような展開しか発生しない。

なお、サバイバーやクリーチャーの性能を細かくカスタマイズできるREコインというシステムがあり、カスタマイズの保存機能まで用意されている。ステージやライバルのピックを見てからカスタマイズを変更するという、駆け引き要素があれば面白かったかもしれないが、ステージが2種類しかなく上に、そもそも戦闘前やリスポーン時にコインを変更できる訳でも無いので、システムを活かしきれていない点も残念である。

バイオハザード RE:バース REコイン
Sara
Sara

特徴的なステージが多く、ステージ決定後にコインを変更できればまだ活きたかもしれないが・・・

評価ポイントのまとめ

バイオハザード RE:バースは、開発人員がまともに確保されていないのか、単に開発をサボっていたのか分からないが、何故この内容で有料のバトルパスが売れると考えているのか不思議で仕方がない。

バイオハザード ヴィレッジを購入済みであれば、サクっとトロフィー回収のためにプレイすれば良いだろう。ただそれだけのゲームだ。

長所

  • お祭り感

短所

  • クリーチャーが少ない
  • ステージ数が少ない
  • ゲームとして単調

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