点数評価 | 90点 |
プレイ状況 | スタンダードでクリア |
クリア時間 | 約13時間 |
プレイ時間 | 約13時間 |
発売日 | 2022年10月28日 |
対応機種 | Switch |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | プラチナゲームズ |
発売元 | 任天堂 |
ジャンル | ノンストップ クライマックス・アクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 項目3に最終盤のスクリーンショットあり |
ベヨネッタ3は、初心者でもノンストップ クライマックス・アクションを十分に楽しめ、上級者は己の腕前を存分に試すことのできるプレイしがいのあるアクションゲームだ。また、プラチナゲームズがこだわる特殊戦闘演出の徹底ぶりと、マルチバースを用いたファン待望の演出は、ベヨネッタのテーマパークのような印象を受ける。“アクションゲーム以外”を強制的にプレイさせるスタイルは賛否両論だが、今回はゴモラXRライドやマルチバースパレードとでも表現するべきな、まるでベヨネッタパークのような展開で楽しめる。
Switchの低性能に引っ張られた、PS3後期程度のグラフィックだけは明確に減点。素晴らしいアートワークが台無しなので、いつの日か、セガと任天堂が握っているベヨネッタに関する権利を清算し、プラチナゲームズ単体でPCか任天堂以外の次世代機でリメイクしてもらいたい。
当レビューの項目3は、軽微ながらネタバレを含む可能性がある。テーマを考えると容易に想像が付く内容にしか触れていないが、一切の情報をカットしてプレイしたいのであれば注意してもらいたい。
徹底した初心者及び上級者向け対応
ベヨネッタ3は、従来のスタイリッシュなアクションはそのままに、悪魔と一体化する「デーモン・マスカレイド」や、魔獣を意のままに操る「デーモン・スレイブ」が追加されパワーアップした、ベヨネッタシリーズの最新作。新プレイアブルキャラクターにヴィオラを加え、マルチバースからの侵略者「ホムンクルス」との戦いを繰り広げる。
ベヨネッタの特徴と言えば、四肢に取り付けた銃を連射しながら、パンチとキックで敵を攻め立て、巨大な手足を召喚してフィニッシュブローを叩き込むスタイリッシュなアクションだ。ベヨネッタシリーズを遊んだことが無くとも、その動きを大乱闘スマッシュブラザーズシリーズで知っているという人も多いだろう。
ベヨネッタ3には地上・空中含めて多数のコンボが用意されており、さらにスキルツリー形式で新しい攻撃手段を開放することが出来る。武器は全8種類用意されており、それらは全て全く異なった動きをする。
8種類の武器に用意されたコンボを覚えるだけでも大変なのだ、加えて魔獣を操るデーモンスレイブ状態での技や、魔獣をコンボの追撃やカウンターとして召喚するといった芸当も可能だ。余りに攻撃手段が豊富過ぎて、それらを覚えきるのは相当に時間が掛る。
しかし、ベヨネッタシリーズは、基本的にコンボを覚えなくてもクリアできる。単にクリアできても意味が無いと思うかもしれないが、適当に攻撃を繰り出しているだけでも、公称ジャンルであるノンストップ クライマックス・アクション的な動きが出来るように設計されている。
下の動画はゲーム開始30分ほどの戦闘シーンだ。シリーズをプレイした経験はあるものの、何一つコンボなど覚えていない状態で、適当に回避しながら銃を撃ってパンチとキックを連打し、途中でデーモンスレイブを挟んだだけである。しかしそれでも、何となく格好良く戦うことが出来ている。
実際の戦闘ではボーカル曲が流れるので大いに盛り上がる。恐らく権利の関係で録画時に無音になる。
まずはお手軽にそれっぽい動きを楽しませることで、コンボのハードルが低いと思わせて、プレイヤーをコンボ練習に誘導するという試みなのだろう。実際にコンボの練習を始めると相当な沼が待っているのだが、コンボに失敗してもそれっぽく繋がるので、常に気持ち良くさせてくれるプレイヤーに優しいゲームだ。
さらに、コンボの鍛錬無しでもスタイリッシュなアクションを楽しみたいという要望にも答える形で、“永遠なるマリオネット”というアイテムが用意されている。これを装備すると、ボタンの連打だけで状況に合ったコンボを自動的に発動して繋いでくれるようになる。ステージリザルトで表示される評価は下がってしまうが、アクションは苦手だがベヨネッタの華麗なアクションを楽しみたいという人も安心だ。
適当操作でも華麗に動け、自動コンボで初心者も安心なベヨネッタ3だが、当然ながら上級者もしっかりと楽しむことが出来る。全8種類の武器から自分のプレイスタイルにあった実用的なコンボを見つけ、クリア後に解放される最高難易度、“∞CLIMAX”を高評価でクリアしようとなると相当の修練が必要だ。
また、新たに追加されたプレイアブルキャラクターであるヴィオラは、魔舞太刀という日本刀で戦う魔女であり、ベヨネッタとはプレイスタイルが全く異なる。ベヨネッタはデーモンスレイブを発動すると動けなくなるが、ヴィオラは攻撃モードが日本刀から素手による格闘に変わるだけで動けるなど、立ち回りも変わってくる。そのため、旧作を極めたプレイヤーであっても、新しく学び直すことは多いだろう。
アクションパートは基本的に一本道だが、フィールド上を探索すると、特別な勝利条件が付与されたり、指定された武器や魔獣を使って戦う、チャレンジミッション的な物も用意されている。クリア後にはコンティニュー不可の高難易度10連戦も解禁されるので、全てを上位難易度かつ高得点でクリアを目指すとなると、相当なボリュームとなるだろう。
圧巻の特殊戦闘演出の数々はまるでテーマパーク
プラチナゲームズの作品の特徴と言えば、唐突に挿入される別ジャンルゲームだ。ニーア オートマタの戦闘機によるシューティングゲームや、アストラルチェインのバイクゲームなどが例に挙げられるだろう。これらの演出は、アクションゲームを買ったにもかかわらず、全く違うジャンルの遊びを、ストーリー進行の上で強制的に、それなりの尺に渡ってプレイさせられるということもあり、あまり評判の良いものではない。
ベヨネッタ3ではこの手の賛否両論な演出がふんだんに用意されている。例えば、ゲーム序盤であれば、まだベヨネッタのアクション操作に慣れないうちから、ゴモラXRライドとでも言うような、高速に移動する敵をゴモラで追いかけ、迫りくる障害物や破壊したり回避したりするゲームが始まる。
チャプター毎の大ボスとの決着シーンは、全てシステムの異なった特殊戦闘という力の入れようだ。
ゴモラを操作して超巨大ホムンクルスと大怪獣バトルを行う、魔列車の砲塔で後ろから迫りくる敵と飛来物を迎撃する、釈迦に見立てたマダムバタフライで敵を翻弄するほか、バイクレース、リズムゲーム、縦・横・対面のシューティングなど実に様々である。
最早ここまで徹底して特殊戦闘にこだわるとなると、ベヨネッタ3は単なるシングルプレイアクションゲームではなく、“ベヨネッタのテーマパークのようなゲーム”であるという印象を受けた。
個人的には大怪獣バトルは全く面白く無く楽しめないのだが、テーマパークの全てのアトラクションが楽しいという人が居ないのは当たり前なので、一貫して手の込んだ特殊戦闘を用意してくれるのであれば、楽しめないものが一つぐらいあっても不満は無い。また、何よりこれらの演出がベヨネッタの荒唐無稽さにマッチしており高く評価することになった。
ちなみに、メインのアクションパートはベヨネッタとヴィオラが担当するが、ジャンヌを操作する潜入アクションパートも用意されている。そして開始前には某アニメを彷彿させるムービーまで用意されており、なんとも手が込んでいる。
開発が長期化したことも納得の作り込みの数々!
期待を裏切らないストーリー展開と、定番のベヨネッタスタイル
ベヨネッタ3のストーリーは、近頃の映画やゲームでは定番となったマルチバース物だ。マルチバースと言えば別の可能性を秘めた自分自身との出会いがお約束。本作でも崩壊し続けるマルチバースで様々なベヨネッタと出会い、共闘することになる。
別の可能性を持ったベヨネッタがどうなっているかというと、それはまたスタイリッシュで魅力的だ。項目1で紹介した武器や使役する魔獣の数々は、並行世界のベヨネッタから譲り受けたものであり、その流れは崩壊するマルチバースをテーマにした作品ではありがちな展開だろう。最初からある程度先が読めるものの、“マルチバース物と言えばコレ”という、お手本のような展開なので安心して見ていられる。
アメコミや映画でお馴染みの、某蜘蛛男作品を感じさせるマルチバース展開!
とある並行世界のベヨネッタが敗北するシーンからスタートし、崩壊し続けるマルチバースを渡り歩くシリアスな展開なベヨネッタ3だが、いつものベヨネッタらしさも健在だ。
大股を広げてセクシーなポーズを取り、無茶苦茶な移動を真顔で平然とこなすという、凛々しさとバカバカしさが共存したような定番のスタイルは至る所で見ることが出来る。ベヨネッタという強烈なキャラクターが高い次元でまとまっており、何をやらせても面白く絵になる。受け付けない人にはトコトン受けが悪いと思うが、シリーズファンであれば満足度は高いはずだ。
なお、もう一人の魔女であるジャンヌも、セレブ感を撒き散らしながら頭の悪い(誉め言葉)行動をやってくれるので、イベントシーンはどれも見どころ満載だ。
このようないつものスタイルを、マルチバースの多種多様なベヨネッタと共に見せてくれるのだから、盛り上がらない訳が無い。発表から発売まで長かったが、待った甲斐があったと感じること間違い無しだ。
評価ポイントのまとめ
ベヨネッタ3は発売まで散々待たされたものの、その期待に明確に答えた素晴らしい作品だ。シリーズファンなら絶対に買うべきであり、シリーズ未経験者でも公式サイトから過去作品の解説を読んでから遊べば問題ない。
ただし、Switchのいわゆるクソグラだけは救いようが無い。限定版にはアートブックが付属しているので、そちらを眺めて脳内で補完しよう。
長所
- アクションの出来の良さ
- 初心者に配慮しつつも、上級者も遊びごたえあり
- 多彩なモードで飽きさせない
- いつものベヨネッタ感
- 定番マルチバース展開の安心感
短所
- グラフィックが悪い
- 人によっては面白くないと感じる一部のモード
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