点数評価 | 50点 |
プレイ時間 | 約7時間 |
発売日 | 2020年11月12日 |
対応機種 | PS5/PS4/Xbox/Steam |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | Counterplay Games |
発売元 | Gearbox Publishing |
ジャンル | ルータースラッシャー ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Godfall(ゴッドフォール)は、2020年11月12日にPS5本体と同時発売された、Counterplay Gamesが開発の“ルータースラッシャー”という新ジャンルのアクションゲームだ。
PS5と同時発売で注目されていたデモンズソウルは、PS5専売ながらPS3作品のリメイク。スパイダーマンは、基本システムを前作から流用したPS4/PS5の縦マルチ。それに対して、GodfallはPS5専売の完全新作である。そのため、“GodfallこそがPS5の本命だ!”と意気込んでプレイしてみたが、残念ながら面白くなかった。
後追いで結局PS4版も発売。
クソゲー認定する程には酷くないが、高い金額を支払ってまでプレイする価値は無いと断言できる。今回のレビュー記事では、何がダメで面白くないのか説明しよう。
小さいストレスも積もれば山となり評価を下げる
Godfallは、ゲーム進行的に致命的ではないものの、細かいストレスがふんだんに散りばめられており、頻繁にイライラさせられる作品だ。塵も積もれば山となるとは正にこれこと。序盤をプレイしただけで、ストレスの蓄積でギブアップした。代表的な物を以下に挙げる。
まず、新ジャンル“ルータースラッシャー”とは何かというと、グルグルと同じステージを周回して強い装備を集めるゲームのことである。つまり、延々とレアリティ上位のドロップ装備を求めて敵を倒し、それを装備してさらに強い敵に挑むという、良くあるハック&スラッシュゲームのことを“ルータースラッシャー”と名付けたようである。Godfallは、重厚な鎧をまとったキャラクター達による剣戟アクションをウリの一つにしているため、剣戟=スラッシャーと称して目を引くために新ジャンルを提唱したのだろう。
しかし、ランダムなレアリティにランダムな特殊効果が付いた装備を、好きな組み合わせが出るまで掘り続けるという、一般的なハック&スラッシュアクションゲームの域を出ておらず、何も新しくは無かった。
そして、ハック&スラッシュゲームのメイン要素はアイテム収集だが、本作はそのアイテム回収にイライラする。アイテム集めをウリにしている以上、Godfallをやり込んでいくと、何百回、あるいは何千回と宝箱を開けることが容易に想像できるのだが、
え?このアイテム回収作業をこれからずっと続けるの!?
という戸惑いを覚えるレベルで操作性がクソである。
宝箱開ける度に、わざわざ主人公の背後にアイテムが飛び散るのは嫌がらせなのだろうか?意味を理解できない。
ボスの討伐が完了した際に、苦労して強敵を撃破した達成感を煽るために、ドロップアイテムをまき散らす演出があっても良いかもしれない。しかし、ただの宝箱のアイテムはインベントリーに直接突っ込んで欲しい。もしくは、背後に散らばっても良いが、その後に自動で主人公に吸着して欲しい。
このように無駄にアイテムを撒き散らされると、宝箱を3個ぐらい開けた時点で早くもゲンナリだ。
宝箱にインタラクト⇒後ろに振り替えるの繰り返しは面倒くさ過ぎ。
PS5は残念ながら日本市場を相手にしていないので、決定ボタンが✕に統一されている。(厳密にいうと、システム設定でボタンアサインは変更できるが、ゲーム内の表示は変わらない)
それについては賛否両論あるが、1週間も使えば無意識に操作できるレベルに慣れるので問題ない。そしてGodfallも例外なくゲーム内の意思決定は✕である。
ところでこのゲーム、操作キャラクターはジャンプが出来ない。しかし、ステージ内の至る所に段差や谷間があり、ジャンプせずにそれらを超えるためには、近くに設置しているポータルを起動してワープ移動することになる。そして、何故かそのポータル使用の意思決定が〇ボタンに割り振られている。
JRPGに例えるなら、瞬間移動しますか?はい(✕) orいいえ(〇) なんだから、そこは✕ボタンで移動して欲しいところだ。せっかく✕決定に慣れたところで、急に〇で決定を強いられて複雑な心境に陥ること間違い無しである。
無意識に✕決定をしていると、ワープがキャンセルされる。
他にも、翻訳が部分的におかしい、PS5にしては起動からゲーム開始までが遅い(20秒弱)、使用スキルはUIにガイドが無く全暗記が必要といった荒が目立つため、非常に満足度が低い。
ストーリーがファルシのルシがコクーンからパルスにパージ
Godfallのストーリーは、FF13でネットミームになったファルシのルシなど相手にならないぐらいにストーリーが意味不明である。
超時空要塞みたいな名前で、牙狼のような見た目のライバルを倒すために、まずは格好いい鎧を作って超時空要塞の副官達を倒しに行けば良いということだけは分かるのだが、それ以外がさっぱり伝わってこない。
顔のモンスターみたいな“第七の聖所”と呼ばれる謎の存在が、古代の呪文がどうとか、儀式がなんだとか色々教えてくれるのだが、そもそも世界観の説明が欠落しているので興味すら沸いてこない。
敢えて情報不足でミステリアスなソウルシリーズのようなゲームなら良いが、このゲームの場合は、
①語られる内容に対する基礎的な説明が足りていない
②説明不足で興味が沸かないので、情報が頭に入ってこない
③頭に入らないから感情移入できない
④さらに興味が無くなる
②に戻る
という悪循環である。
ルータースラッシャーだから細かい事は良いんだよ!強敵を倒してレジェンドアイテム集めろよ!ということなのだろうか?
ローカライズが完全に失敗しているゲームなので、“第七の聖所”も多分誤変換で、“第七の聖女”が正しいのだろう。筆者が勝手にそう解釈しているだけかもしれないが、じっくりとテキストを読み返して裏を取ろうという気力は一切沸いて来ない。
それでもボス戦だけは楽しかった
Godfallは、多くのストレス源と意味不明なストーリーに出鼻を挫かれて、最後まで遊ぶに至らない散々な仕上がりのゲームだが、それでもボス戦だけは面白かった。
Godfallの戦闘は、敵に合わせて最適な武器に切り替えながら、スキルとパリィを駆使した接近戦を楽しめるものである。美麗なグラフィックと共に60FPSでヌルヌルと動き回る、重装vs重装のハードなぶつかり合いは迫力がある。
戦闘ではパリィが最重要アクションとなっているが、パリィの受付時間が比較的長めに設定されており、簡単に気持ち良く決まるのも好印象だ。カウンター系のアクションが苦手な人でも少し練習すれば対応できる程度のやりやすさである。個人的にはキャプテン・アメリカみたいにシールドスローで戦える点も見栄えが良くて評価したい。
しかし、ボス戦に到達するまでの探索と面白くないザコ戦はなかなかの苦行だ。特にフィールドの探索については、前述の通りストーリーの意味が分からないので、何を目的にそのステージの何処に向かっているのか良く分からず没入感に乏しい。おまけにマップが広い割にミニマップが無いので、自分が今ステージの何処にいるのかも分かり難い。一方で、行先ナビが大変優秀なため、脳死でナビ通りにダッシュするだけで目的地に到着できてしまう。
これでボス戦も面白くなかったら、画面が綺麗なだけのクソゲーとして散々煽れたのだが、ボス戦だけはやや面白くて中途半端である。ちなみに筆者は、定価3000円でもプレイしろと言われたら拒否したい。次世代ゲーム機のリリース直後にプレイするには時間が余りに勿体無い。そう感じてしまう程度のクオリティのゲームだ。
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