点数評価 | 65点 |
プレイ状況 | ディレクトリ5でギブアップ 売却済み トロフィー:20% |
プレイ時間 | 約7時間 |
発売日 | 2022年8月25日 |
対応機種 | Switch/PS4/PS5/Steam Xbox (Gamepass) |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | アートディンク |
発売元 | バンダイナムコエンターテインメント |
ジャンル | アクションRPG ジャンルの考え方 |
SDガンダム バトルアライアンスは、スパロボシリーズで一定の評価を得ている森住惣一郎にシナリオを任せたことが、裏目に出てしまった作品だ。ガンダムオンリーの作品にスパロボのノリは不要である。そこそこ遊べるアクションRPGにもかかわらず、フルボイスで喋り続けるオリジナルキャラクターに苦痛を感じて、プレイ継続性が大きく失われてしまう可能性が高い。一歩間違えればクソゲー判定もあり得た。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
SDガンダム バトルアライアンスは、ガンダムの歴史が記録された「G:ユニバース」という仮想空間にて、各作品が世界観を超えて共演するアクションRPGだ。歴史が何者かによって歪められ、作品同士が入り混じるブレイク現象が発生した世界で、改変された歴史の修正と、正史の追体験を経て事件の真相に迫る作品である。
改変(ブレイク)と正史(トゥルー)どちらとも楽しめる
SDガンダム バトルアライアンスは、冒頭に記載した通り、改変された歴史と正史のどちらもプレイするゲームだ。この手のガンダムゲームが発売されると、『せっかくのゲームだから改変やクロスオーバーを楽しみたい』という意見と、『正史、もしくはプレイヤー以外は正史で楽しみたい』という意見が出て、両者が嚙み合わないことが多い。しかしバトルアライアンスは、シミュレーター上で改変された歴史を修正するというストーリーなので、改変も正史もどちらも楽しめるようになっている。
ゲームの流れとしてはまず、各ガンダム作品の有名シーンが改変されたブレイクミッションをプレイすることになる。シミュレーションという設定なので、登場するキャラクターは主人公達を自身が所属する組織の一員だと認識している。オルフェンズであれば鉄華団の一員、00であればソレスタルビーイングのサポートメンバーと言った形だ。
Zガンダムではカラバの一員として参加するが、鋭いアムロからは本当にメンバーか?と問い詰められるシーンもある。勿論、問われたとしてもシミュレーション上の話なので何の問題も無いのだが、そのような勘の良さまでも完全再現できるシミュレーターであることが強調される。
幾つかのブレイクミッションをクリアすると、正史としてのトゥルーミッションが出現する。主人公機と僚機以外は正史通りの話が進むので、各作品の主人公達と連携してボスを撃破できればステージクリアとなる。全てのトゥルーミッションをクリアするとストーリーが進行し、世界の謎に迫りつつも新たなブレイクミッションが登場するという流れだ。
なお、ブレイクミッション・トゥルーミッション共に、クリア後は自由に何回でもプレイすることが出来る。詳細は省くが、世界観の設定上、一度クリアしたブレイクミッションをもう一度遊べることには違和感を覚えるが、設計図を集めて新MSを開発するという仕様上、仕方が無かったのだろう。
各ステージをプレイしていると、ランダムに設計図というアイテムを入手でき、それを幾つか集めると新しいMSがアンロックされる。アンロックしたMSはプレイヤーが搭乗するほかにも僚機として出撃させることができ、その場合は原作通りのパイロットが設定される仕組みだ。
ランクの低いMSであれば、設計図を一つ手に入れただけでアンロックされるが、徐々に必要数が増えていき、主役級のユニットの場合は数種類の設計図を複数個要求される。そのため、お気に入りの機体の設計図要求数が多い場合は、既定数が集まるまで同じステージを周回することになる。
難易度ノーマルの場合、一切の稼ぎをせずにプレイすると、難易度はそれなりに高い。従って、資金、パーツ、経験値の稼ぎを兼ねて、設計図を集めながらゲームを進めていくプレイスタイルが基本となる。しかし、この周回を繰り返して資金と設計図を稼ぐスタイルは、残念ながら面倒に感じた。
ある程度の周回は致し方ないと考えるが、登場する機体数と改造に必要な費用に対して、1回の周回で得られる資金が少ない。そのため、魅力的な機体が折角アンロックされたとしても、改造先を数体に絞ることになり残念だ。そして、あれもこれもと中途半端に改造すると、どの機体でもクリアが困難になり、更なる周回が必要となってしまう点も面倒だった。
また、機体の改造値はプレイヤーが登場した場合にしか適用されず、僚機に設定した場合は参照されない点もやや不満だ。僚機の強さは、改造値・レベル・友好度の3項目を参照して決まるのであれば、プレイヤーが機体を乗り換えて仲間に譲った感も出て良かったのだが。
お気に入りの機体でミッションを進めたいと思っても、その前準備に多くの時間を費やす必要があり、期待していたこと以外をやらされている感が出る仕組みになっていると言えるだろう。
ドリームチームで硬いボスを倒す楽しさ
公式でも宣言されている通り、バトルアライアンスの特徴は何と言っても連撃アクションだ。SDらしさを損なわない大胆な動きを楽しむことができ、適度なウェザリングが施されたMSのビジュアルも美麗な仕上がりで満足度は高い。
いずれの機体にも2種類の格闘、射撃、2種類のサブ兵装が用意されている。それぞれの格闘は長押しで範囲攻撃と打ち上げ攻撃を出すことが出来るので、合計で7種類のアクションを繰り出せる。これらは比較的簡単に繋げることができ、更にチェインブレイカーというスキルを発動することで、モーションをキャンセルした上に、格闘攻撃やダッシュに使用するブーストを全回復できる。
敵を打ち上げて追い打ちし、チェインブレイカーから更に敵を拾い、最後に強力なサブ兵装でフィニッシュするようなコンボをお手軽に出せる仕様だ。20コンボぐらいは直ぐに到達できるようになっており、爽快感をしっかりと味わうことが出来る。
ただし、撃破済みの敵機体にも暫くロックオンが残りコンボが続いてしまう点はやや気になった。また、コンボをフィニッシュしてもロックオンが残っているので、倒しきったのかミリ残りしたのか判断が付かない。これはアップデートで何らかの改善をして欲しいところだ。
念のためにオーバーキルしておけば確実だが少々面倒。
ガンダムゲームの多くは難易度が低いが、バトルアライアンスのボスは難易度ノーマルでも硬いうえに攻撃も苛烈だ。ボスを瞬殺することは出来ないし、逆にアンロック直後の無改造機で戦えば、ボスの大技2発ほどで撃破されてしまうことも多い。Iフィールドによるビームバリア持ちには当然ながらビームライフルは通らないので、臨機応変に機体を変更する必要もある。
強力なボスが出現するステージでは、戦闘前の各種セッティングが非常に重要だ。設定した僚機によって、アライアンスエフェクトというステータスボーナス的なものが付与されるので、射撃タイプや近接タイプといった機体のロールと、ボスとの相性を考えてチーム編成すれば、低レベルでも突破口は見えてくるだろう。
また、主人公がダウンしたとしても、僚機がリペアしてくれるし、プレイヤーも僚機をリペアできる。そのため、上手くターゲットとダメージ量をコントロールして、順番に落ちては復活という戦い方もありだ。
難易度ノーマルでも簡単には勝たせてくれない難易度を『遣り甲斐』と捉えるか、『キャラゲーだから簡単にして欲しい』と感じるかは人によるが、筆者としては工夫しがいのあるアクションに好印象を持った。
腕に自信のあるアクションゲーマーであれば、稼ぎなどせずクリアしたいという思いがあるだろう。そのような、強力な敵をテクニックやアイデアで乗り切ることに達成感を覚えるプレイヤーであれば、バトルアライアンスの戦闘を楽しめるはずだ。
極力周回はしたくないので、あれこれと工夫する過程を楽しめた。
SDガンダムでドリームチームを結成して戦えるのは、バトルアライアンスの魅力の一つだ。特に、個人的に気に入ったのは、戦闘前のキャラクター同士の掛け合いだ。会話の組み合わせ自体は1パターンしかないものの、登場キャラクターの数だけ組み合わせが存在するので、意外な会話を求めて毎回編成を変えるのも面白いだろう。
面白い組み合わせを見つけるとテンション上がる!
オリジナルがクソにも程がある
項目1と2で説明した通り、バトルアライアンスはSDガンダムのアクションゲームとしては及第点の出来栄えだろう。しかし、残念ながら途中でプレイを諦めるに至った。その原因は余りにも痛々しいオリジナルキャラクターとストーリーである。
まず、バトアラのメインキャラクターは、天才プログラマーのユノ・アスタルトとAIのサクラ・スラッシュだ。アスタルトとスラッシュという名前の時点で中二病感が漂っており、プレイ前から嫌な予感がしていたが見事にそれが的中した。
真っ先に問題となるのはスラッシュの喋り方だ。スラッシュは初対面からアスタルトのことを『ユノ姉さん』、マスコットであるハロのことを『先輩』と呼ぶ。恐らくゲームを進めれば、後からスラッシュとアスタルトの繋がりが出て来るのだろうが、初対面でスラッシュに『姉さん』と呼ばれたアスタルトは、呼び方に対するツッコミを一切入れない。そのため、ヤクザ者のノリで『姉さん』言ってるように見えて非常に不自然だ。仮に繋がり無くて、本気で呼んで入るなら尚更痛過ぎるのだが、プレイを継続して確認する気力は無い。
登場人物に対しては、基本的に若いパイロットは“くん”付けで、キラくん、刹那くん、三日月くんと呼び、一定年齢以上であればアムロ少尉さん、マクギリス准将さんという風に、役職に“さん”を付けて呼ぶ。妙な馴れ馴れしさと不自然さが実に気持ちが悪い。
また、テキストで何らかの爪痕を残そうとしている感が溢れ出ており、小ネタで笑いを取ろうとしたり、ハロを“パイセン”と呼んだり、ガンダムの世界観にマッチしない発言が相次ぐ。更にスラッシュは、会話の末尾に高確率で“ネ”が出てくるのだが、これは気持ち悪いオジサン構文にしか見えず不快感が強い。
一体どのような層をターゲットにしているのか分からない。
ストーリーは更に斜め上を行き、中二どころか小学校低学年向けの内容だ。
デジタルデータの中でガンダムの歴史を追体験し、そのデータが何者かにより改竄されたために、偽りの歴史を戦ったうえで、史実も体験できるという流れ自体は良いだろう。
しかし、実際のストーリー展開としては、技術背景などの説得力がある設定は一切語られることなく、インストール、ハッキング、ファイアウォール、セキュリティーホール、トロイの木馬などと、それっぽい事を騒ぎ立て、天才プログラマーのアスタルトが一瞬で解決する展開が続くだけだ。一言で例えれば“子供だまし”なのである。
子供だましのハイテンションな会話が延々と続くので、大人がこれをプレイするのは精神的な苦痛を伴う。よっぽどピュアな心の持ち主で無ければ、低評価を付けずにいられないだろう。この手の展開は、ミッションとミッションを繋ぐブリーフィングでしか流れないのであれば耐えられるのだが、戦闘中であってもひっきりなしにフルボイスで通信として入ってくるので、本当に嫌気がさしてくる。
そもそもストーリーは原作を知っている前提なうえに、SDガンダムのメインターゲットは40歳前後だと推定されるので、子供向けの展開にする理由は見当たらない。どういう経緯でこうなったのか理解に苦しむ。
ゲームの舞台は『ガンダム世界のシミュレーター』であることが序盤から繰り返し語られるが、主人公達の真面目な性格が災いし、悲劇の展開に干渉して史実を改変しそうになったり、結末に涙するという展開はありだ。しかし、シミュレーターであっても真摯に受け止めてしまうキャラクター設定にもかかわらず、唐突に笑いを取ろうとして下らないことを口走ってしまうのだ。その光景からは、アスタルトの情緒に異常があるのではないとか勘ぐってしまう。
評価ポイントのまとめ
バトルアライアンスのシナリオはスパロボでお馴染みの、森住惣一郎に依頼したとのことだが、ガンダムだけの作品にスパロボのノリを持ち込んだことが最大の問題なのだろう。スパロボ的な手法とは、毛色が違う作品を取り扱うためにオリジナルキャラクターを用意し、作品を繋ぐ役割を与えたり、時にはヘイトの対象にすることだ。
しかしバトルアライアンスは、設定の違いはあれどガンダム作品だけが集まったゲームなので、ここまで過剰なオリジナルキャラクターは不要である。また、ガンダム作品だけなのだから、コンピューター用語を並べるだけの薄っぺらい内容ではなく、まともな技術設定もできたはずだ。根本的に企画の段階から失敗している作品と言えるだろう。
それなりに出来の良いアクション面の評価を、圧倒的に不快なオリジナルキャラクターで台無しにした作品であり、残念ながら発売直後に買うことはオススメしない。筆者は売却した。
Gジェネのアクション版程度で良かったんだ・・・。
長所
- MSの美麗さ
- 正史と改変の共存
- コンボを楽しめる
- 戦闘前の掛け合い
短所
- 不快なオリジナルキャラ
- 子供だましなストーリー
- オンライン前提の敵の硬さ
【追記】XboxGamePassで配信開始
発売から半年もしない2023年2月9日に、XboxGamePassの遊び放題に追加されることが発表された。市場価格も半値程まで暴落しているので、これ以上の収益を見込むのであれば遊び放題に提供という判断なのだろう。気に入った人がDLCを買うことにも期待しているのかもしれない。
追加費用無しで遊べる環境にあれば、★3【人を選ぶ】としても良いと考える。
【Backpack Battles】レビュー: 10秒の戦闘と1分の整理整頓を繰り返し続ける、デッキ構築型ローグライク系オートバトル
【Backpack Battles】攻略: 各クラスで効果的なビルド方針を、サブクラス毎に紹介
【3ヶ月無料】Amazon Music Unlimited で、メジャー,インディーを問わずゲーム音楽を堪能しよう!オススメのゲームサントラを紹介!
【2024年版】長期休暇中の社会人ゲーマーにオススメの10作品を厳選して紹介!【第2弾】
【ファイナルファンタジーVII リバース】レビュー: ミニゲームと狂人によるギャグ展開の波状攻撃の狭間でシリアスを楽しむARPG
【Nintendo Switch】既に高騰している入手困難なプレミアソフト及び、高騰の傾向が見られるソフトを一覧で紹介【2024年版】
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びクラシックスカタログで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】Xbox Game Passで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びフリープレイの最新情報及び、今後の配信スケジュールまとめ
【2024年4月版】Xbox Game Passの最新情報の紹介及び、今後の配信スケジュールまとめ