この記事は2023年版です。
2024年版が以下のリンク先で公開中。
2022年12月、当サイト『ゲームナナワリ』でレビューしたローグライクゲームが、40タイトルを突破した。筆者はローグライクゲームをこよなく愛しており、ついついローグライクゲームを遊びがちなのだが、ローグライクゲームのレビューもある程度溜まってきたので、ここで厳選した10作品を紹介したいと思う。
10作品に優劣を付けている訳ではなく、当記事を投稿した段階で遊んでもらいたいローグライクゲームを、ジャンル毎に選出している。惜しくも選出されなかったローグライクゲームについては、タグ機能で「ローグライク」を付けているので、タグからの絞り込み機能で確認してもらいたい。
ローグライク・ローグライトの違いについて
まず初めに、ローグライクとは、ランダム生成,パーマデス,リソース管理,探索orマッピングなどの要素を備えたゲームが分類されるゲームジャンルのことである。ゲームのジャンルはどこかの機関が管理している訳ではなく、明確な定義は存在しない。従って、具体的にどれだけ要素を備えるとローグライクと呼ぶかは曖昧であり、自身の作品をローグライクとするかどうかは開発者次第である。
広義的なローグライクの中に、構成要素を幾つか欠いたゲームが存在しており、それらがローグライトと呼ばれる“傾向にある”。あくまで傾向であり、どの程度ローグライクから要素を欠くとローグライトと呼ぶかなどは一切決まっていない。ローグライクなのかローグライトなのかを議論することに何の意味も無いため、当サイトの記事内ではローグライクと表現を統一している。
ジャンルの定義の詳細について興味があれば、別記事を読んで頂きたい。
デッキ構築型ローグライク
ゲームオブザイヤー2022でもベストローグライクに選出した、『Slay the Spire』を超えたか超えていないかが議論される、デッキ構築型カードゲームの最高峰。超えたかどうかはさておき、エンカウントやデッキからのドローなど一部を除いて、運の要素が相当に排除されているため、プレイヤーの計画性が重視される。そのため、クリア出来ないことに対して一切の言い訳が効かない作品。ツモが事前に予告されたうえに、河から捨て牌を拾える麻雀みたいなカードゲーム。
デッキ構築型カードゲームの皮を被った何か。「真実は自分の目で確かめよう!」としか言いようがないネタバレ厳禁のゲームでありながら、決して自分一人では真実にたどり着くことは出来ないので、結局最後にはネタバレをネットで探して読むしかないという、異端中の異端。多くを語ることは憚られる。革新性の高いゲームが好きならプレイしよう。
デッキ構築型カードゲームに、ライン移動式のアクションゲーム要素を加えたミックスルール的なローグライク。デッキ構築の奥の深さに加えて、アクション面はロックマンエグゼを超高速で遊ぶようなプレイフィール。キャラクターを移動させて敵の攻撃を避ける反射神経、ドロー予告と手札を見て何を使うかの即断即決の判断力が重要であり、デッキ構築力だけでは絶対にクリア出来ない、文武両道を求められるタイプのローグライク。プレイする度に判断力が加速していく体験が最高に気持ちが良い。対戦ゲーム化した続編、Duelists of Edenの発売も予定されている。
アクション型ローグライク
説明不要なほどに有名になった家出系ローグライクアクション。その評価はローグライク要素ではなく、アクションゲームとしての手触りの良さと、圧倒的に豊富な会話量によるもの。公称ジャンルは“ローグライク・ダンジョンアドベンチャー”であり、アドベンチャー要素が重視されている。ローグライクといえば無駄を削ぎ落したようなデザインが多いが、ハデスは真逆でキャラクター達に情報量が多く、いずれも実に生き生きとしており会話パターンが非常に豊富。ローカライズのお陰で日本発売が遅れたのも納得。続編の発売が確定しているので、早めに遊んでおきたい。
アニメ制作会社TRIGGERが手掛けたPVや、ボイス付きで頻繁にプレイヤーに語り掛ける美少女キャラなど、ゲーム性以外の部分でもリッチに仕上がった作品。ただし、ビジュアルだけでなくアクションゲームとしても出来は良く、戦闘リザルトの高評価が次の高評価に繋がっていくミニコアシステムは、最初こそ取っ付き難いがうまく制御できるようになると、ローグライクらしいシナジーを発揮することが出来て楽しい。
かなり高難易度なサイドビューの2Dアクション。攻撃手段(スキル)のバリエーションが豊富なので、難易度の高さと相まって、操作習熟には結構な時間を要する。なお、攻撃手段とは一般的には武器を想像するかもしれないが、頭蓋骨がそれを担っているというユーモアセンスも評価。主人公は最弱モンスターのスケルトンだが、道中で拾った頭蓋骨をチェンジすることで、何故か体格まで変わって攻撃手段が変化する。2種類の頭蓋骨と9種類の装備品を駆使して打倒勇者を目指す。
育成バトル型ローグライク
SAN値、つまり正気度をリソースとして管理しながら島を探索するローグライク。リソース管理が超重要で、それを怠った際のペナルティがえげつない。ペナルティを受けると正気を失った仲間達を次々とロストしてしまうので、被害を最小限に抑えながら慎重に探索を進めなければならず難易度は高め。リソース不足によるペナルティ以外にも突発イベントが凶悪で、旅の仲間をロストすることが多々あるため、常に緊張感を持った旅を楽しめる。探索の引き際を見極める能力や、仲間をロストした際の対応力などがプレイヤーに求められる。戦闘はダイス運が重要となるが、上振れ下振れ考慮したパーティメンバーや装備の事前準備が重要となる。
延々とループした道を歩き続ける主人公を見守る放置型ローグライク。戦闘は素早さを考慮したリアルタイムバトルだが、装備変更以外にプレイヤーに介入の余地は無い。プレイヤーの役割は戦闘ではなく、虚無な世界に敢えて主人公の障害となるモンスターを産み出して戦わせたり、戦闘を補助するためにバフ効果のある地形を置いたりして、世界を構築することである。歩き続ける主人公が倒れない程度に鞭を打ちつつ、補助効果を積み上げ続ける“だけ”のゲームなのに何故か面白い。フォロワー的な作品が生まれて欲しい。
シューティング型ローグライク
2021年にPS5で発売され、2023年にはSteam版も登場することが決定しているTPS型のローグライク。ローグライクの様式をTPSに完璧に落とし込んだうえで、繰り返し遊ぶというローグライクの性質を、ホラーテイストなループ物のストーリーに当て嵌めている。ストーリーは難解だが考察しがいがあるので、自分で想像を膨らませることが好きなら、満足度はより一層高くなるだろう。TPSとしては慣れないうちは敵の攻撃が理不尽に感じることもあるかもしれないが、武器やアイテムのアンロックが進み効果的な使用方法を理解出来るようになれば、余裕でクリアできるようになる。
ゲームオブザイヤー2022でリリース前の期待作品に選出した360度シューター。自機の強化の組み合わせの膨大さに度肝を抜かれる。ショットのタイプだけではなく、弾体サイズ、弾体数、弾速、発射間隔、拡散度などがトレードオフの関係で強化でき、組み合わせパターンは無限大。アーリーアクセスの価格が安いうちに確保しておくべき逸品。
以上である。
この他にも名作ローグライクゲームはまだまだ隠れている。これはプレイ必須というものがあれば、是非教えてもらいたい。
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